二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.290 )
日時: 2011/12/30 20:41
名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)

(2) 答えを

 「……兄妹とか?」
「違う。てか僕が奏始の妹なんて認めない。」
「幼なじみですか?」
「……違うな。」
「双子……?」
「僕が姉ならそれでもいい。けど不正解。」
「……婚約者!」
「ぶっ潰されたいのか円堂。」
「親子……ですか。」
「よし眼科に行こうか闇元。」



どんどん出てくる答えにも正解は無い。にやにやと意地悪く笑う結祈、わからないのか、と呆れる奏始。
少しずつ回答者は減り、土門が“許嫁?”と半笑いで問い奏始から半笑いでは済まない一蹴をくらい見事に黙った否、黙らされたのが最後だった。
 
「なんで当たらないの?」

口に運んだサンドイッチをお茶で流し込み結祈が問うた。

「幾つかあり得ない答えもあったけどな。」

不機嫌そうに土門を睨みつける奏始。

「じゃあ答えは何なんだよ!!」

余程答えを知りたいのか円堂がぐずりだす。
その様子を見て顔を合わせる結祈と奏始。そしてクスリと笑うと全員に向き直り口を開いた。





「「全くの他人。」」
「「「「「……は?」」」」」

同時に紡がれた言葉は全く予想外のもの。
だが確かに鬼道の推測に関して二人はなにも言わなかった“当ててみろ”としか。好き勝ってに回答を提示しただけなのだ。文句なんて言えない。言おうとしても口を滑らして土門の二の舞にだなんてまっぴら御免だろう。
無理やり納得の表情を浮かべるもそんな努力すら一瞬で崩れる。

何故なら。






「……まぁ、って言うのは嘘なんだけどさ。」
「「「「「え。」」」」」

この女に他人を思いやる気なんて微塵も無いのだ。自身が楽しければそれでいいのだ。
さらりと嘘を明かした彼女は楽しそうに笑う。

「あれだよ僕と奏始の母親は五兄弟の中の姉妹なの。」
「結祈の母親が次女で俺の母親が長女。」

すらすらと家族構成を並べる二人。
そして風丸が口を開く。

「じゃあ、要するに……従兄弟?」
「うん。まぁ流石に親子やら許嫁よりは納得いくでしょ?」

ははは、と笑う結祈。

「まぁ、そう言うことだから。お互いのことは結構知ってんだよ。」

コップ片手にそう語る奏始。
散々弄もてあそばれた恨みからか幾つか視線が突き刺さるが気にも止めない。

「「んじゃ、そう言うことで。改めて宜しくね!/な。」」

そよぐ草花の中に二人の声が重なった。

+

終わりが見えなかったんだ。