二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.33 )
日時: 2011/09/02 19:44
名前: 宙詩 風梨 (ID: P/D0CuiW)

(9) 悲惨な環境

 「あぁ、そうですか。練習試合、わすれてたんですか。……キャプテンのくせにどこまで役立たずなんですか?美空先輩。」
美空の胸元を掴み静かに言う帆那未。
どこから出てるんだ、という程低いトーンの声と、敬う気が全く無い形だけの敬語。
「先輩選手が役立たず、偽善者、サボり魔、鬼畜野郎、天然馬鹿、タラシ……こんな悲惨な環境下でサッカーしてる私や
他の一年の気持ちを考えたことってあるんですか!!」
顔を紅潮させて大声で喚く。
「正直、そんな言われようの僕ら二年の気持ちを考えてほしいね……。」
苦笑いでそう告げるも“黙って下さい。”と一蹴される。
因みに雷門中メンバーは先程と変わらない場所に放置され若干戸惑っているようだった。
まぁ、それも広い学園内でやっとのこと見つけたサッカー部員らしき少女に色々あって逃げられたからなのだが。


 「……もういいです。役立たずには何を言っても無駄ってタラシが言ってたので。」
「もう帆那未ちゃんさぁ僕らのこと先輩と見なして無いよね。」
あれから十分近く雷門を放置し、美空を怒鳴り続けた帆那未は疲れたのか、呆れたのか美空から手を離すとふらふらと放置し続けた客人に向かい歩き始めた。
飛び交っている野球の球などに当たらないように動いていることからして多分余力はあるのだろうが、精神的な疲れが背中からにじみ出ていた。

 「タラシかぁ……実の兄の芽吹君をそこまで言うのはどうなんだろうねぇ?」

いつの間にやら美空の隣に立っていた彩世がクスクスと笑った。