二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.36 )
日時: 2011/09/04 13:08
名前: 風梨 (ID: P/D0CuiW)
参照: 「宙詩」って打つの面倒になった。

(10) ちょっとした冗談

 「俺たち、どうしたらいいんだ……?」
風丸の小さな呟きも遠くで喚いている少女の大声にかき消された。
何度か野球ボールやテニスボールが飛んできては取ってくれ、と頼まれ投げ返すだけでかなりの間ここから動いていない。


 「……あれ?お前らもしかして雷門中?」
あれからさらに長い放置をくらっていると不意に後ろから声がした。
後ろを振り返ってみると先程の少女と同じジャージを着ている黄緑の髪の少年が
驚いた表情で立っていた。
 「あなた……ここの学園のサッカー部?」
夏未が少年に尋ねると彼はコクンと頷いた。
「オレは二年の柊 芽吹、ここのサッカー部のFW。
……ところでお前らあの雷門中だろ!?
こんなとこで何してんの?」
首を傾げる彼は髪と同色の目に疑問のいろを浮かべている。
その質問に答えようと円堂が口を開くと同時に“何か”が顔の横を飛んで行った。
えっ、と数人が反応し円堂の方に目をやるが
当然というか案の定というかそこには何の影も見え無かった。

「どうした?幽霊でも見えたか?」
ケラケラと笑う芽吹、しかし影が見えたメンバーには冗談に聞こえなかったようで皆同様に顔を青くしていった。
その様子を見て、さらに笑い声を上げる芽吹。

「大丈夫、幽霊なんていないから。あの影多分これだよ。」
言うやいなや鋭く口笛を吹いた。
すると、どこからともなく黒い鳥が現れ
しばらく上空を旋回するとちょこん、と芽吹の右肩に止まった。