二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.38 )
- 日時: 2011/09/06 17:49
- 名前: 宙詩 風梨 (ID: P/D0CuiW)
(11) ちょっとした冗談?
「「「こ、小鳥……?」」」
「そう、小さいけどカラスのなかまなんだから。」
影の正体を見て唖然としている雷門イレブンの後方で少年の声が上がる。
「お、いたのか〜煉夜!」
嬉しそうな芽吹の笑みを当然のようにスルーした彼はすたすたと歩き雷門メンバーの前に立つ。
そしてグラウンドを指差した。
「用……あるんでしょ?サッカー部に。
キャプテンならあそこで一年に締められてるし待ってても無駄。
ついてきてよ、部員も紹介するから。」
自己紹介もそこそこにいきなりついてこい、と言われ多少戸惑ったもののこれ以上放置されるのはやはり嫌らしく全員素直に歩き出した。
「ようこそ、鏡花学園サッカー部へ。」
野球部の豪速球をくらいそうになりながらふらふらと歩いていた少女を伴ってやっとのこと練習場所にたどり着いた雷門イレブンを迎えたのはキャプテンとわずか二人の一年生。
他いるとしたらマネージャーが一人いるだけで他に人影はなかつた。
今一緒にいる芽吹、煉夜、そして芽吹の妹の帆那末で三人。
迎えてくれたキャプテンと一年が二人。
合計六人しかいないのだ。
「自己紹介。いる?」
煉夜が横から瞳子を見上げ尋ねた。
“えぇ”と彼女が肯定したのを確認すると彼は頷き、雷門メンバーの正面に移動した。
「まず、おれ“住吉 煉夜”二年。ここのチームのDF兼MF。
……嫌々ながら柊兄妹の幼なじみをやってる。」
無表情で簡単な自己紹介をした煉夜だったが後半の文で少し表情が歪んだ。
その変化を幼なじみだからか、どうなのかは分からないが芽吹は見逃さなかった。
「ちょっと、お前どんだけオレのこと嫌いなんだよ……」
少しだけ顔色が青ざめているのは煉夜の言葉にショックを受けたからだろう。
因みに妹の方は“こっちこそ、嫌気がさしてしてますよ”と言い切ったのだが。
「どんだけ……か。まぁゴキブリと良い勝負だと言っておく。」
煉夜の言葉に最早再起不能になった芽吹は三角座りの状態から微動だにしない。
それを見て軽く引く雷門陣。
ふん、と鼻で笑う帆那未。
はぁ、とため息をついた煉夜は“ちょっとした冗談”なのにと微笑んだが、
二つの赤い目は全く笑っていなかった。