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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンーオリキャラ募集中! ( No.73 )
- 日時: 2011/10/07 23:39
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
(4) かくれんぼしましょう?
「蜃気楼かぁ……」
「不思議な人だな……」
あれから約三十分。寮の中を二人一組になっての大捜索が始まった。
そしてこれはその中の一組の円堂、風丸班である。
二人は東西四階まである寮の西館二階の担当なのだが既に捜すのを断念していた。
何故ならばーーーー
「なぁ、神原って髪の色……水色だったか?」
「え……と、確か紫だったぞ。」
ーーーー現段階で彼女の容姿をほとんど覚えていなかったからだ。
実はこの時他の場所を捜していた班も同じく不可解な現象に頭を抱えていた。
“蜃気楼”のように記憶からすぐ消え去る彼女に対し抱く感情は恐怖、好奇、嫌悪……十人十色、多種多様だったが、全員が共通して抱いた感情はーーーー
「もう、見つからないんじゃないのか?円堂。」
「俺もそう思う……。」
ーーーー諦め以外の何物でもなかった。
「……つまんないな、もう諦めてる。」
「だから言ったんだ。素直に出ていったほうがいいってな。」
屋上に響いた二人の声。
「嫌だよ、そんなの。楽しくないもん。」
「お前なぁ……」
すねる少女と呆れる少年。
「ほら、僕の相手は雷門だけど奏始の相手は美空達でしょ?早く逃げたら?」
「いいんだよ、俺は。どれだけ捜したって
ーーーー“存在してないからな。”」
得意げに、しかしどこか寂しそうに彼は言った。
「“思念体”ねぇ……まぁ“代償”だし。しょうがないか。」
ーーーーかくれんぼしましょう?ーーーー
「さて、半端な覚悟の君達に僕らを見つけられるかな?」
薄暗くなりかけている茜空の下、少女は怪しく微笑んだ。
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