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(4)　回答者の思惑

捜索開始から四十分、東館三階。
秋、春菜ペア〜

　「いませんね……神原さん。」
春菜が呆れた様子で呟く。
この班はどうやら春菜が帆那末の携帯から画像を送ってもらったらしくあの現象にはかかっていないのだか、それでも彼女は見付からない。
他班同様諦めかけ、廊下にあった自販機の横のベンチに座ったそのときーーーー


「何を探しているの？」
不意に頭上で声がした。
驚いた二人が顔を上げるとそこで微笑んでいたのは自分達と同年代の少女。
服はここでちらほらと見かけた制服。
美しい橙色の長髪を無造作に流していて、目は右がオレンジで左が黄色。オッドアイというものか、と秋はふと思う。



せっかく数少ない寮生に会えたのだから話を聞いてみよう、という秋の提案をあっさり承諾した少女はパソコンの画面を見ると何かを呟き目を閉じる。
その行動に首を傾げる二人をよそに彼女は目を開けこういった。

「結祈は、西館の屋上にいる。あなたたちが自分を探すのを諦めてることに不満みたい。早く行かないとあの子、今度は校舎に逃げるつもりよ？」

え？、と驚く二人。
まぁ写真を見ただけで真偽はともあれ居場所と考えと今後の行動を告げた彼女に驚くなという方が無理かもしれないが。


“もう、用はないわよね。”と言い立ち去ろうとする彼女の背中に春菜が呼びかける。
「あの、お名前は……？」
「名前……？」
振り返り頷く春菜を見て彼女は微笑んだ。



「……“花園　永恋”。それじゃあ私急いでるから。」
数秒後彼女ーーーー永恋は廊下の角に姿を消した。

+
花園　永恋(ハナゾノ　エレン)です！
彼女はこれで二回目の登場でした。
……いままで一回だけ出てきますw