二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンーオリキャラ募集中! ( No.94 )
- 日時: 2011/10/18 17:55
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
(8) もう一人の
「えっ……奏始!?」
入り口付近を見て結祈が目を見開く。
彼女を見て軽く右手をあげると再び口を開いた。
「ようこそ、鏡花学園へ。天咲 奏始です。」
結祈の暗い蒼とは対照的な明るい紅色の目を細め愛想よく笑う。
「なんで、ここにいるの?美空や芽吹に見つかったの?」
「まさか。“思念体”が見つかるとでも?」
頭上に疑問符を旋回させる結祈に意味のわからない答えを返すと雷門のメンバーに歩み寄る。
「一ノ瀬君、土門君。さっきはどうも、お前らは結祈を探してたみたいだけど俺も一緒にいたんだぜ?気付かなかったんだな。」
得意げそうに言うと驚く二人に向かい微笑んだ。
「……一緒って、俺は神原しか見てないぞ?」
同意する一ノ瀬を横目に土門は呟く。確かに屋上にいたのは秋からの連絡どうり神原だけだった。多少辺りが薄暗かったにしろ彼女より背の高い彼の存在を見落とすなんてことはあるはずはないのだ、と自信を納得させながら。
「……逆さまに考えなよ。」
小さくも綺麗に響いた声は呆れるような感情を伴って彼らの耳に届く。
「……見てないってことは“見えない”ってことでしょ?なんでそんなに驚くの?たかだか人の姿が確認出来なかっただけ。……まぁ君たちの視覚はその程度ってことさ。」
“花園 永恋”という言葉を聞いたとき焦ったような表情とは打って変わって無表情で結祈は言った。
肩に止まっていた小鳥が何かを察したかのように一声鳴き、奏始が来て以来開け放されていたドアから廊下へと姿を消す。
「……何でも理解出来るわけないでしょ?世の中、そんなに簡単にできてないの。僕が記憶に残らないのも奏始が見えなかったのも、その花園ってひとの正体もね。
そんなのわかったって意味ないの。知ろうとしないで逆さまにでもして知らずに納得しておきな、それが自身のためだよ。」