二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: マクドポケモン♪ 12/1 1-3更新! ( No.20 )
- 日時: 2012/01/16 16:01
- 名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: G9VjDVfn)
Story1 Game1【バイオハザードですか、そうですね? 分りません】 Part4
社長室。理路整然としたドナルドの几帳面な人となりの現れた部屋。
窓からは燦々と陽光が降り注ぐ。そんな暖かい光を背にこの部屋の持ち主、ドナルドは悠然と座して居た。
本来なら容姿と雰囲気に似合わず真面目に業務はこなしているのだが、今回は休憩中らしい。
愛用のアイマスクを掛けてうつ伏せになっている。
そんな彼に掛けられる声が有った。
「兄貴」「おい、兄貴ッ」「起きろよカス!」その声は、少しずつ荒々しくなっていく。
アポを取った覚えは無い。と、不躾な客人に苛立ちながら起き上がり思い目を彼は、擦った。
客人が何者なのか。彼は、その声に普段から馴染みがあり大体の辺りは付いていたが。
それを確認する。網膜に焼きつく姿。
白銀のトレッドヘアに浅黒い肌。整って居ながらも野性味を感じる目鼻立ち。そして、鋭い紅色の瞳。
妖艶な雰囲気の立ち込める長身痩躯の男だ。彼は、嘆息する。
知っている存在だ。兄弟の末弟であるハート。彼等兄弟は仲が悪い。お互いに反目し合い隙あらば殺そうと試みるほどに。
それは、ハートも同じだ。ドナルドは、考察する。
此処で来ると言うことは目の前の男は、自分を殺す手段を有していることになるのではないかと。
「よぉ、兄貴……達者なことで何よりだぜ?」
「ハートか。何しに来たんだい?」
ご丁寧に取り逃さないためにハートは、退路を断つように陣取っている。
どうやら口ぶりから察するに兄であるドナルドの事業がうまく進んでいる事が気に入らないらしい。
昔から彼は、気に入らない事に関してはストレートだ。誰の前でも臆面無く指摘し敵を作る。
最も、それが彼の魅力に繫がっているしそれ相応の実力と実績を有しているのだが。
そんな弟を前にドナルドは務めて冷静に問う。
平静を装ってはいるが、机の下では戦闘手段たるモンスターボールに手を当て臨戦態勢だ。
「分りきってるだろう? 俺達兄弟は殺しあう宿命なんだぜ兄貴?」
直球過ぎるその一言。
目的なんて最初から決まっているじゃないか。
ドナルドは、それを聞いて愉悦に顔を歪ませる。凄絶な笑みが、浮ぶ。
「らーんらーんるー……」
「そうさ! それでこそ兄貴だ!」
ドナルドは、即座に立ち上がりポケモンを出す。
それに応じるようにハートもモンスターボールを手に取る。
この瞬間、血で血を洗うルインザス兄弟の戦いの幕開けのゴングが鳴らされた。
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