二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- [ 円堂監督と奏 ] ( No.57 )
- 日時: 2011/09/22 19:31
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: KCnf7FEj)
「えんどーかんとく、」
くい、と俺の裾を引っ張る奏を見下ろし、どうしたんだと問いかける。奏は少し躊躇したような様子を見せるも、すぐに「かんとくは、好きな人居るんですか」なんて問いかけてきた。奏も中学生だし、そういう話が好きなのかと思って、居ると答えた。
——最も、その好きな人が誰なのかは分からない。夏未と結婚してるはずなのに、俺の中ではまた違う人物の笑顔が離れない。もう俺もあいつも、結婚してんのに、な。
「……えんどーかんとく?」
何か酷い顔でもしていたのだろうか。何処か悲しそうな顔をした奏が、俺の顔を覗き込む。その表情にはひどく見覚えがあった。あいつは、何時もそんな顔をしていた。あいつは、——亜美は、風丸をみる度にそんな顔をするんだ。
風丸が彩音を好きだから、亜美は悲しそうにそんな顔をするんだ。酷く重なって、俺は思わず笑みを零した。
「何でもねえよ」
(指先すら掠めない、遠い遠い彼女)
*
何時だってそうだ。かんとくは、ボクのことなんて見もしない。かんとくは、ボクじゃなくて、違う誰かをいつも見てる。それが悔しくてボクはかんとくの瞳に映り込もうとするのに、その度にかんとくの目に映るのは見たこともない女の人なんだ。
かんとくは、時々つらそうな表情をする。かんとくは、誰かのことを語る度にひどく表情を歪めるのだ。かんとくはボクのことを視界にすら入れてない。ねえ、かんとく。
「かんとくは、無理してるんですか」
何時だって何時だって何時だって。薄ら笑いを張り付けてかんとくは笑うのだ。何でもねえよ、と。まるで、ボクのように、届かない存在に恋をしているかのようにかんとくは辛そうに辛そうに笑うのだ。
でも、ボクはかんとくの、悩みを、痛みを、辛さを分かってあげられないのだ。かんとくは何時も抱え込むのだ。
「ボクじゃ、駄目なんですか」
(瞳に映るのはボクじゃない)
*
奏→円堂→亜美→風丸×彩音というカオスw 奏→円堂が好きだああああry かんとくイケメソ! もぐもぐもぐ←