二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

[ 影山チルドレン ] ( No.59 )
日時: 2011/09/22 19:24
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: KCnf7FEj)

 暗くて、寂しくて、見えない空間。
 其れは箱庭と形容するのがきっと、一番。



「——総帥っ」

 何時だって貴方は俺を縛り付け、俺を傑作だと、作品だと言い、それでも何時だって、俺に様々なことを教えてくれた。
 俺の、俺の大事な監督だった、総帥はサッカーを、円堂の祖父を、父を、自分を嫌い憎んでいた。でも、本当はサッカーを、愛していた。フィディオがそれを気付かせてくれた時、俺はどんなにフィディオに感謝したか。
 刑務所を出たらまた、貴方とサッカーが出来ると俺はどれだけ喜んだか。貴方のサッカーは俺を、俺を育ててくれるのだから。司令塔として活躍できるのも貴方が教えてくれたサッカーがあるから。
 なのに、貴方は。



「、ミスターK」

 最初はどれほど憎んだか。俺達をイタリア代表から追い出そうとし、マモル達の邪魔もしたのだから。どれだけ、俺は。
 それでも、其れでもミスターKは、監督はいつだって俺達を勝利へと導いてくれるサッカーを、指令を出してくれた。俺達が勝てたのは監督のお陰だと俺は知ってる。憎くて、憎くて、——憧れた。貴方のようになりたいと。
 だから、監督がもう一度俺とサッカーをしてくれることを俺は願った。何時だって監督は俺達を勝利へと導いてくれるのだから。淡く儚い日々が、今はとても愛おしい。
 憎しみと不信は、信頼へと変わったのに。



 ——神なんて居ないさ。
 そう笑う僕を此処まで導いてくれたのはきっと貴方だろう? 総帥。神のアクアの力に酔いしれ、自身を神と名乗り、どれほど愚かだったことか。結局僕も人間なのだと、分かっていたはずなのに。
 神のアクアの力も有ったが、貴方の試合のセンスはずば抜けていたかもしれない。過去は鬼道君から聞いたものばかりだが、貴方は父親のことを愛していたんだろう? そうじゃなきゃ、あんな的確な指示はきっと出せないだろうに。
 もう二度と、とは思っていたさ。でも、実際に貴方と離れると辛いんだ。貴方とまた、サッカーがしたいから。
 大丈夫、またいつか。


(サ ヨ ナ ラ イ ツ カ 。)







影山ちるどれん。
都合により、デモーニオくんは省いて居りまs。ファンのかたすみませんいや本当に。