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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- [ 円堂と亜美 ] ( No.60 )
- 日時: 2011/09/22 19:25
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: KCnf7FEj)
大人になって、気付く。私の本当の恋心は誰に向けられていたか、を。若しかして、私は大変な間違いをしてたんじゃないのか、と。家族愛を、恋心と勘違いしていたのかもしれない。愛情を家族愛を勘違いしていたのかもしれない。彼の視線が何時も私の方を向いていたはずなのに、彼の視線はもう私を見てはくれない。ねえ、円堂くん。今更、貴方が好きだと言えばどんな顔をするのかな。笑うのかな、泣くのかな、謝るのかな。ごめん、と、円堂くんはきっと言うのだろう。真庭無さ過ぎたのだから。今更、こんなこと。
「久しぶりだね、円堂くん」
久しぶりを装って彼に近づく。彼は拒みはしないのだ。何時もニカッと笑顔を浮かべて私に久しぶりだなと近づいてくるのだ。ねえ、円堂くん。君はどうせ私の気持ちに何て微塵も気づいてないんでしょうね。ねえ、円堂くん?
だから私は笑うしかない。元気にしてた、とか、他愛のない会話をするしかないのだ。嘘の恋愛を続けていくしかないのだ。
「——ねえ、円堂くん」
スキダヨ。そう伝えられたら、どんなに幸せだったんだろうか。
*
遅すぎたの、ねえ。
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