二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

九羽目 ( No.25 )
日時: 2011/09/12 19:21
名前: 和華 (ID: imuS2CMi)
参照: http://id15.fm-p.jp/data/301/sayuki302/pri/86.jpg

「えとえと、じゃぁ、行きますよ…?」

私は塾のカギを寮のドアの鍵穴に差し込みます。
少し緊張で手が震えました。

カチャっと音がして、ドアを開けると、
そこは見知らぬ奇妙な廊下でした。

「う、うわぁあ!!すごいです!!不思議です!!!」

「別にそないはしゃぐほどのモンやないやろ」

「そないなこと言ってぇ〜。坊だって最初は『不思議やぁ』いうてましたよ」

私たちは談笑しながらも教室へ向かいます。
教室へ向かう途中に、見知った顔とすれ違いました。

「えぇっと…伊禮さん…?」

「…茅原。」

伊禮さんでした。

「伊禮さんも祓魔塾生だったんですか?」

彼は黙ってうなずきました。
教室まで一緒にいかないかと誘ったら、彼は首を横に振りました。

「クラス、多分ちがうし。それに…俺と一緒にいても何もないと思うけど」

そういって少し早足で伊禮さんが行ってしまいました。

「相変わらず怖いなぁ、伊禮くん」

「坊とどっちが目つき悪いんやろか」

「おい志摩?それ喧嘩売ってるん?買うで?」

喧嘩は駄目です、と言おうとしたのですが、子猫さんが私の服の裾をちょいちょいと引っ張りました。
手には紙切れが握られています。

「落としはりましたよ?」

「え?あ、ありがとうございます・・・。」

見覚えのないピンク色の紙切れ。
めくると字が書いてあります

『Wie geht es Ihnen?
 言い忘れていましたが、祓魔塾講師の方々に
 貴方が女であるということだけを言い忘れてしまいました。
 テヘ☆
 本当に申し訳ない♪
 では、よい塾生活を〜(´ω`)ノシ
       メフィスト』

………。
…の………。

「あのクソピエロが・・・・・・」

「「「!?」」」

どうやら頭で考えていた事がそのまま口に出てしまったようです。
三人が目を見開いてこちらを見ます。

「凪…ちゃん・・・?」

「なんでもないです、気にしないでください」

わたしはいつもの笑顔で対応しました。
しかし、コレは厄介です。


しばらく歩くと、同い年くらいの男の人がいました。
メガネに顔にホクロが3つあります。

「あ、奥村先生。」

「こんにちは。おや?この人が茅原隼くん?」

先生と呼ばれたその人が、メガネのふちをあげながら、私の方を見ました。

「はい、今日から宜しくおねがいします。」

このあと、私は簡単な手続きがあるようなので、一旦職員室へむかいました。

「え?奥村先生って、奥村燐さんの弟さんなんですか!?」

「えぇ、びっくりしました?」

先生と話していくと、奥村さんと双子の兄弟だということがわかりました。
でも、先生のほうがお兄さんにみえます。

教室の前につきました。

「かるく自己紹介をしてもらうけど、いいですよね?」

「はい、大丈夫です。」

扉を開くと、皆が一斉にこちらをみてきます。
勝呂さんたちのや奥村さんのほかにも、
着物の女の子、麻呂眉の女の子。
パペット人形と戯れている子もいます。

「皆さん、今日からいっしょに祓魔を学ぶ茅原さんです。」

奥村先生が、よく通るこえでそういってから、
私のほうをチラッとみます。

「あのあの、ち、茅原隼です。よろしくおねがいします。」

そういって一礼します。
それを確認した奥村先生が、微笑み、

「では、お好きなところに座ってください」

といいました。
見回すと。志摩さんが笑顔で手招きしているのがみえたので、
三人の所へ駆け寄りました。

「おつかれさん〜」

「ど、どうも・・・」

私はあいていた志摩さんの隣に座ります。
前には子猫さん。斜め前には勝呂さんがいます。

「では、このあと授業が始まりますので、各自準備をしておいてください」

そういって奥村先生が出て行きました。
えとえと、たしかメフィストさんから貰った時間割があったはず・・・。

「確か次は祓魔歴学やで」

鞄をあさる私に勝呂さんがおしえてくれました。
祓魔歴学の参考書は・・・

「あ、あった。ありがとうございます、勝呂さん」

私が準備をし終わると同時に、先生が入ってきました。

「えぇー、では前回の続きの、25pを開いてください」

そういってその先生は、教室内を歩き回り教科書を読み上げます。
大事なところにはマーカーを引くといいと勝呂さんが言っていたので、桃色のマーカーで線を引いていきました。

先生が奥村さんの前で立ち止まりました。

「奥村・・・、奥村、起きなさい、奥村!!」

「スキヤキ!?」

居眠りをしていた奥村さんが飛び起きました。
それを観た勝呂さんがなにかを呟いています

「ったく・・・アイツ塾に何しにきとんねん・・・」

いつもの倍も眉間にしわをよせ、こう続けました  

「いねや!」