二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

二羽目 ( No.3 )
日時: 2011/09/09 16:50
名前: 和華 (ID: hoeZ6M68)
参照: http://fblg.jp/sasuyuki/

「アインス、ツヴァイ、…ドライ☆」

ポンっと、爽快な音が聞こえてきました。
気がつくとそこは部屋の中です。
私は血まみれでした。
でも不思議と痛くはありません。

「げぇ!?なんや!?さっきまで路地裏に…」

「私にできないことはありません☆」

そこには4人の男の人が立っていました。
一人は先ほど名乗ってくれた、志摩廉造という人。頭がピンクです。
一人は小さな男の人。坊主頭でメガネの人です。
一人はなんか少し恐いひとです。黄色い鳥頭頭で、…少し目付きが悪いです。
そしてもう一人。この人は何か面白い格好をしています。

私は何が起こったか全然わかりませんでした。

「ところで皆さん、虫豸の駆除、本当にご苦労様でした。」

「いえいえ…。あ、あの、理事長…」

小さな人が、私のを見てきました。
それにともない、ほかの三人もです。
みんなこっちを見ていました。

「この子は…一体なんなんです?」

「なんや、虫豸はコイツに集っとったようなんです。」

「ふぅむ…」

理事長と呼ばれたひとが、私の周りを回っています。
なんだか、少し緊張します。

「あなた、名前は?」

…ナマエ?
名前…名前、たしか、私の名前は…

「ち、茅原、凪…です。」

「ほう、茅原凪さん。では、…失礼ですが、性別と年齢をお伺いしてもよろしいですか?」

セイベツ…?ネンレイ…?
えぇと、えぇっと…

「お、女で、確か15さいだった、ような…」

「女の子やったんかぁ!たしかによう見たらかぁいらしいなあ!!」

志摩廉造さんが、
いきなり声を挙げたので少しびっくりしました。

「やかまし、志摩。っちゅうか、『ような』ってどういう…」

鳥頭頭の人が、私に訪ねてきました。

「いえ、あの…私、その、何も覚えてないんです…」

私の言葉に、みなさん驚いていました。
…でも、理事長と呼ばれた人は、少しだけ笑っていました。

「あのあの、私からも質問…いいですか?」

「どうぞ、茅原凪さん」

「み、皆さんは、誰ですか…?」

得体の知れない、しかも記憶喪失の私の
こんな質問にも、彼らは答えてくれました。

「俺は勝呂や。勝呂竜士。」

「僕は三輪子猫丸言う者です。で、こっちが、」

「志摩廉造どすえ〜。」

三人は他にもいろいろなことを教えてくれました。
彼らは私と同い年の15才で、
正十字学園高等部の一年生だということ。
京都からきたと言うこと。
そして、
祓魔師を目指していると言うこと。

「あの、あなたのことも、おしえてくれますか?」

私は後ろを振り返り、ニヤリと笑っている、
理事長と呼ばれてた人を見ました。

「私はこの正十字学園の理事長をしています、メフィスト・フィレスと申します、気軽にメッフィーとでもお呼びください☆」

そういってメフィストさんは笑いました。
そして、勢いよくたちあがりました。

「あなた、本当に記憶がないんですね?」

「わ、私が覚えているのは、今のところ、名前と、性別と、年齢と…あとは…うー……」

そう言って私は何かを思い出そうとします。
すると、頭のそこから、キィイイインと何かが響きました。

「—私には、兄がいました。」