二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

十一羽目 ( No.34 )
日時: 2011/09/22 19:30
名前: 和華 (ID: imuS2CMi)
参照: http://id15.fm-p.jp/data/301/sayuki302/pri/86.jpg

「次は確か体育実技でしたねぇ。茅原さん、ジャージ持ってはります?」

「あ、はい。メフィストさんから一応必要な物は一通り貰ったんです。」

私たちは更衣室へ向いながら話をしていました。
更衣室は個室なので、誰かに私の着替えを見られるということはないようです。
男装って、結構大変なんですね……

「おっと、ご、ごごごめんなさ…」

歩いていると、すれ違いざまに人にぶつかってしまいました。
朱色の髪の女の子です。隣には黒髪の女の子もいます

「あぁ〜、大丈夫ですよ、そっちこそ大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です、えっと…」

「私?私は赤月楓だよ〜。ほらほら、舞ちゃんも〜!!」

「え、井桜舞。」

「僕は、茅原隼といいます、えとえと、よ、宜しくお願いします!」

とりあえず頭を下げてみました。
すると赤月さんがあははーと笑いました。

「あーそんな固くなんなくていいよ。クラス違うからあんまり関わらないだろうし〜」

「確か、明日クラス交流があったわよ?」

「えー、本当?あ、じゃぁ私たちもう行くね、じゃぁね〜茅原くん」

笑顔で手をふる赤月さん。
井桜さんはなぜか私の頭を撫でました。

「え!?あのあの、なんで撫でるんですか!?」

「可愛いから。じゃぁ」

そういって二人が去っていきます。
少し離れたところで、勝呂さんたちが「おいてくで〜」と私をよんでいました。

「ま、まってください〜」

+*+*

「凪ちゃんジャージめっちゃええなぁ!!かぁいらしいで!!」

「あの、一応ここでは隼です…」

着替え終わった私を待っていたのは。志摩さんの桃色の歓声でした。
ニコニコと笑いながら私を見ていました。

「ほな、いきましょか?」

「せやな、いくで」

私たちは競技場へ向かいました。
…向かったのですが…、
視線の先には杜山さんと、…奥村さんがいました。

それをみた勝呂さんはつかさず

「おーおーおー、イチャコライチャコラ…!!」

喧嘩を売ります。
志摩さんが呆れたような声で、

「また始まったわ」

とつぶやきます

「だっ、だだだだだだだだだだだだれがだゴルアァ!!」

奥村さんが顔を真っ赤にして、そしてものすごい勢いで振り返ります
勝呂さんはそれをみてニヤニヤしながら口を開きました。

「プクク、なんやその娘。お前の女か?
 世界有数の祓魔塾に女連れとは、よゆーですなあ〜?」

「だから…そーゆーんじゃねーって!関係ねーんだよ!!」

「じゃあなんや。お友達か?え?」

勝呂さんは変わらずニヤニヤとしながら奥村さんに訪ねます。
すると、奥村さんは、斜め下に目線をやります。

「…と、友達……じゃ………ねぇ!」

半ば頬を赤らめてそう言いました。
その言葉を聞いた杜山さんが、すこししゅんとします。
勝呂さんはそれに気づいたようで、

「はあ〜?ハハ。…あー——。ナルホドなあ」

と、納得しました。

「〜〜くっそ…テメーだって……!」

ついに奥村さんも反撃するようです。

「いっつも取り巻き連れやがって!!身内ばっかで固まってんな!
 カッコ悪ィーんだよ!!」

とり…!?
私取り巻きですか!?
それに、勝呂さんはカッコ悪くなんかないですよ!?

「そそそ、そんなことないですよ!?勝呂さんはカッコいいです!!」

とりあえず、そういって見ました。
勝呂さんが顔を真っ赤にしてこちらを振り返ります

「バッ…!おま、なにいうて…」

「ブフォ!?」

勝呂さんの言葉を遮るように、志摩さんが吹き出しました。

「!?笑うな!!」

「いやぁ〜、奥村君の言うとおりやなぁ思て…!ククク」

「なに納得してんのや!!」

笑いをこらえる志摩さんに勝呂さんが怒りました。
そして、ギッと奥村さんをにらみます。
負けじと奥村さんも勝呂さんをにらみ返します。

「「気に…くわねぇ…!!」」

こころなしか、二人の背後に虎と竜が見えてきます。

「似とるしな…。プクク」

「やっぱ、同族嫌悪ゆうやつやろか」

「そう、ですねぇ…」

二人はしばらくにらみ合って
火花をちらしているのでした。