二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

四羽目 ( No.5 )
日時: 2011/08/31 17:41
名前: 和華 (ID: hoeZ6M68)

気がついたらそこは真っ暗でした。

何もない、何も聞こえない…

私は少し怖くなって、「何か」を叫びました。

「———!!」



すると、キィイイイン、と耳鳴りがしました。
あの時、私が兄の事を思い出した時と同じ音。
直接頭に響いて、頭が割れそうになってしまうような、でも

不思議と嫌ではない音、です。

そして、頭の中に何かが流れ込み、何かが聞こえ——




「は…ッ!?」

目を覚ますと、まだ見慣れない天井が目に入りました。
ここは、正十字学園男子寮、勝呂竜士さん達の部屋です。

私は記憶を失い、虫豸に襲われました。
なぜ襲われたのは思い出せません。

そこを、彼らと、メフィストさんが助けてくださいました。
昨日、あの後メフィストさんから、教科書等と、正十字学園の「男子」の制服が渡されました。

『女子のあなたが男子寮で暮らしていると何かと厄介だ。
 しばらくはこの制服をきて正十字学園へ通ってもらいます。
 先生方に話はつけておきましょう・・・』

メフィストさんの言葉が頭をよぎりました。
私はこれからしばらく男としてして暮らしていくことになりました。
もちろん、うまくなりきれる自信はありませんが、メフィストさん曰く

『あなたは中性的な容姿ですから大丈夫でしょう…』

とのことでした。


時計を見たら6:45でした。
志摩廉造さんと、三輪子猫丸さんは、まだ眠っているようです。
勝呂竜士さんは…何故かどこにもいませんでした。

今のうちに着替えてしまおうかな、と思ったら、突然ドアが開きました。
勝呂竜士さんです。

「おぉ、起きてたんか。お早う。」

「お、おはようございます。」

私は着替えをもって個室に移動することにしました。
鍵をかけて、正十字の制服に袖を通します。
私のサイズにピッタリでした。
メフィストさんが、どこで私のサイズを知ったのか、少し不思議に思いました。

手で髪を軽くとかしてから鏡をみました。
…一応、男の人に見えなくもなかったです。
なんだか、一人の女として、少し複雑な気持ちになりました。

ドアを開けると、勝呂竜士さんはもうそこにはいませんでした。
どこへいったのでしょうか…

「あぁ、茅原さん、あはようございます…」

「おはようございます。」

三輪子猫丸さんが寝起きの顔でメガネを探しながら声をかけてくれました。
気がついたら7:00です。

「あの、どこへ行くんですか?」

「共同の洗面所ですよ〜」

「でも、お部屋にありますよね?」

もしかしたら、あの洗面所は使っちゃいけないんではないかと思いました。
だとしたらとても申し訳ないです…

「あぁ、共同の方が広くて使いやすいだけですよ、別に部屋の使こうてもええですから安心してください」

そう、にっこり笑って三輪子猫丸さんが部屋をあとにしました。
さて、これでみんなおきたかな…と思ったのですが
まだ志摩廉造さんが寝ていました。

もう7:00過ぎなので、起こそうと思ったのですが、
あまりにも気持ちよさそうに眠っているので、やめておきました。

7:35になり、私は食堂へ向かいました。
ちなみにいまだに志摩廉造さんは起きてきません。
…大丈夫なのでしょうか…。

そこには、大勢の生徒がいました。
何人かが私を物珍しそうに見ていました、

「あ、茅原さんや」

「なんや、志摩はまだ起きんのかいな。」

勝呂竜士さんと三輪子猫丸さんの姿が見えました。
私は朝食を受け取って、二人のもとへ行きました。

「二人とも早いですね…」

「いやぁ、僕はさっき来たばっかりなんやけど、坊はもう食べ終わりますよ〜」

「今日はお前らに合わせて学校行こう思うて遅めに行動したつもり何やけどなぁ」

そういって二人はヘラヘラと笑いあっていました。

「あの…志摩廉造さんはいいんですか?まだ寝てますけど…」

私は本気で志摩廉造さんが心配になってきました。
今は7:45分ほどなのですが、いまだに志摩廉造さんだけがおきてきません。
すると、勝呂竜士さんが舌打をして、立ち上がりました。

「あんのアホ…ちょお起こしてくるわ」

そう言って、自室に向かっていきました。