二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 十五羽目 ( No.56 )
- 日時: 2011/09/24 19:52
- 名前: 和華 (ID: imuS2CMi)
- 参照: 注射いたいよ注射。
青
『母さん!早く逃げろ!!』
『でも、隼だってこんなに怪我して…!!』
青、蒼、葵。
『いいから、早く!!』
青青青青青青青青青青青青青青青青青青
『まって、はや—キャッ!!』
青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青———
とある寺の一角に広がった青い炎。
深い緑色の長い髪を翻し、青年は母親—
「茅原 恵」に逃げろと訴える。
彼女のお腹は大きく膨れ、一つの命を宿していた。
『いいか!?「 」の血は此処で途絶えたんだ!!
その子と母さんはこの日死んだ事にして、どこか遠くで
安全なところでくらすんだ!!』
そう言いながら隼が魔法円の略図を施された紙に血を垂らす。
そして、こうつぶやいた。
『舞えや蟲神。我血の理にてその姿を示して給わえ!!』
青い炎の中に、紫色の光が生まれる。
その美しい「蝶」が隼の肩に止まる。
『蝶化!!母さん達に力を貸してやってくれ!!
それと、しばらくは母さんの身体に寄生して——ッ!!』
彼の目元から一筋の血が流れる。
恵の顔色が変わった。
彼女は、隼の元へかけようとするが、彼…否、「彼等」の使い魔である
蝶化が己の羽を大きく広げて、いく手を阻む。
<奴の最期の令。我は必ず成し遂げねばならぬ。>
『いや…やだ、隼!!隼もこっちに…』
彼女の叫びもむなしく、茅原隼の全身は青い炎に包まれた。
彼は最期の力を振り絞り、こう、伝えた。
『今まで、育て、てくれ、て…あ、りが、と…う………』
『いやぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!』
本堂に響きわたるは、炎の渦巻く音と、彼女の叫び声のみだった。
こんなに目覚めの悪い朝は初めてです。
時計を見ると7:00。
私はむくりのその身を起き上がらせました。
「だ、大丈夫です?」
「子猫さん…?」
子猫さんが心配そうにこちらを見ています。
「だいぶ、うなされてはりましたよ…?また、何か思い出しはったんですか…?」
「はい…。思い出す、というか、知った、というか…。
とにかく、ご心配ありがとうございます。」
私は極力笑顔で答えました。
それに安心したのか、子猫さんも微笑んでくれました。
「じゃ、僕洗面所の方行きますんで。…よかったら志摩さんも起こしといてくれます?」
「はい、着替えてからでよければ。」
そういって、子猫さんが部屋を出ていきます。
私は着替えを持って、寮室の洗面所に入ります。
服を脱いで、ふと鏡を見ます。
そして息を飲みました。
私の両肩の「蝶の形の痣」の色が、
夢でみた紫色の光と全く同じ色になっていました。
そして、不思議なことに、前までどんな色だったのか
思いだせないのです。
気味がわるくなって、いそいで服をきます。
ドアを開けると、未だに志摩さんが起きてません。
「しーまーさーーん!!朝ですよーー。」
ゆっさゆっさと彼の身体をゆすりました。
もぞもぞと布団をかぶる志摩さんにすこしイラっとしてしまいました。
「…早く起きないと、昨日の(自主規制)さん呼んじゃいま…」
「おはよう凪ちゃん!!今日も可愛いなぁ!!」
たまに志摩さんの身体能力は忍よりすごいのではないかと思います。
あっという間に私の隣に立っていました。
「じゃぁ、早く洗面所行って身支度済ませて来ちゃってください。
私、食堂に行ってますので。」
そういって部屋をあとにしました。