二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 五羽目 ( No.6 )
- 日時: 2011/08/31 18:06
- 名前: 和華 (ID: hoeZ6M68)
5分くらい経ったころ、志摩廉造さんが半べそをかきながらやってきました。
「あぁー、アカン!!なんや、なんで起こしてくれないん!?」
大急ぎで朝食を詰め込む志摩廉造さん。
「あ、あのあの、私、起こそうとしたんですけど、その、なんか起こしたら悪いなって思って、ご、ごめんなさい!!」
「茅原さんは悪うない。このドアホが起きんのが悪い。」
勝呂竜士さんがそうフォローしてくれました。
もう8:00です。私達は学園へと向かいました。
途中で志摩廉造さんが言いました。
「凪って名前、ちょぉ女の子っぽいですよね…。なんや、ばれそうで恐ぁなってきましたわぁ…」
名前…?
たしかに、凪って女っぽいな。
偽名を使った方がいいのかもしれません。
男の名前…。
ふと、今朝の夢を思い出しました。
「隼。」
「ハヤト?誰や、それ。」
「私の、兄の名前です。」
今朝、兄の名前を叫ぶ夢を見ました。
あったこともない、私が生まれる前に死んでしまった隼兄さん。
その兄さんの名前を名乗ることになりました。
「学校にいるとき、私が男装しているときに、下の名前で呼ぶことがあったら、そのときは隼ってよんでください。」
「隼ですかぁ、なんやかっこいい名前ですねぇ」
そういって三輪子猫丸さんは笑いました。
その後も、私が学園生活に男としてなじめるように話合いました。
一人称は「僕」にするということ。
なるべく、記憶がないことを知られないようにすることなど。
「そういやぁ、隼ちゃ…隼くんは俺らんことなんて呼んでるん?」
三人の呼び名の話になりました。
なんて呼べばいいかわからないので、フルネーム+さんで呼んでいました。
「そういやぁさっき、志摩さんのこと『志摩廉造さん』ってよんではりましたよ。」
「硬!?隼くん、それはやめとこ、な?」
「は、はい。気をつけます。」
「俺んことは志摩とか廉造とか、好きなように呼んでぇな。」
「僕のこともお好きなようによんでくださいな。」
私…僕は一番しっくりくる「志摩さん」と「子猫さん」と呼ぶ事にしました。
勝呂竜士さんの事は、「坊」と呼ぶか迷いましたが、「勝呂さん」と呼ぶことにしました。
学校に着くなり、先生に呼び出され、三人と別れることになりました。
先生がたは、私が女と言うことを知っていました。
「ファウストさんから聞いた」といっていました。
どうやら「ファウスト」さんは「メフィスト」さんのことのようです。
先生に、私は一応「茅原隼」と名乗るということだけを伝えて、教室に入りました。
教室には、三人の姿は見当たりませんでした。
少し残念です。
「茅原隼と言います。今日からよろしくお願いします。」
簡単な自己紹介を済ませ、私は席に座りました。
隣に座っていた、なぜか剣を背負っている男の子によろしくおねがいします、と声をかけたら、
「俺は奥村燐だ、よろしくな」
とだけ言われ、奥村さんは窓のそとに目をやりました。