二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第0話 プロローグ ( No.7 )
日時: 2011/08/30 11:44
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: l78GGQ1X)


 イナズマジャパンの優勝から10年——イナズマジャパンと誰よりも近い少女はもう、立派な大人になっていた。

 そして今————新たな風が吹き荒れる。



「此処が雷門ちゅーがっこー……おっきーねえ……」

 ふわり、と灰色の髪が舞う。桜吹雪の中、ふんわりとした微笑を浮かべた少女が雷門中学校の門を潜った。大きい、とは言うものの然程興味の無さそうな表情を浮かべた少女は、ゆったりと歩き出す。
 ざわざわ、と少女をみては何かを囁き合う生徒を物ともせず少女はのほほんとした雰囲気を纏ったまま、グラウンドを見詰めた。

「フィフスセクター、かぁ……」

 ぎゅ、と胸元にある淡い水色の——何かの花をモチーフにしたネックレスを握り締め、少女は小さく笑った。







「下らなーい」






 少女は笑う、笑う。その手に握り締めたネックレスを大事そうに、愛しそうに見つめて、少女はグラウンドに背を向ける。それを見詰める二人の女性が可笑しそうに笑った。


「風が、吹き荒れそうだね」
「——そうだね。まるで——円堂君の時みたいに」




(物語は幕を開けた)