二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第1話 ( No.11 )
日時: 2011/08/30 18:08
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: l78GGQ1X)


 ふわ、ふわ、ひら、ひら。
 ゆっくりと桜の花弁が舞い落ちる。ボクはゆっくりと辺りを見回して笑みを刻んだ。何やら、楽しそうなことが起こっているらしい。

「あの、何が起きてるんですか?」
「お前新入生——だよな。何か、サッカー部が大変らしいぜ」

 くい、と先輩——名前、知らないや——がグラウンドがあるらしい方向を指差す。有難うございますとお辞儀をして、ボクはその方向へと向かった。真ん中に、男の子が二人。
 何やらサッカボールがどうのこうのやっているらしい。ボロボロになったサッカー部であろう人達が不安そうにそれを見詰めている。と、グラウンドの傍には何やら色々と話しているイナズマジャパンの元マネージャー、音無さん(だったよね)が見える。
 確か顧問か何かをやっていたはずだ。ボクは何やら面白そうな雰囲気だったのでそれをじ、と見据えた。

「ほえー……へったくそー」

 二人とも。まあ、ボクの実力に比べると皆下手くそなんだけど、思わずぽつんとそう呟いてしまった。おっと、失言。笑ってごまかそうとしたけど、生憎周りには誰も居ない。
 ふう、と一息吐けばその様子をうかがった。どうやら、くるんとした髪の(何かチョココロネみたい)男の子が、不思議な髪形をした男の子からボールを奪うとかそんな勝負らしい。其処ら辺の先輩に聞いた。

「デスソード……!」

 と、其処で必殺技らしきものが放たれた。見たことのないものだ。黒い威力を纏うボールが、男の子へと向かっていく。
 思い切りハンドに見える気がしないでもないが、別に良いよね、うん、何でもありなんだから。

「、俺は、サッカーをやる為にここまで来たんだ! そう決めたんだ! あの日からずっと……!」

 ——あの日?
 男の子が意気込む。

「サッカーやるんだ……やると決めたら絶対、やるんだぁーっ!」
「、化身……? いや、ただの影かな」

 化身を発動させる時に出す、化身の影のようなものが男の子の後ろに揺らめいた。そのボールをヘディングで止めようとする男の子。
 ボールは威力を失い、地面にぽんっと落ちる。男の子がそのボールの上に足を置いた。勝ったのは、その男の子。
 男の子以外のサッカー部や、勝負を挑んできたらしい男の子が目を見開く。ボクはゆったりと笑んだ。どうやら、楽しくなりそうだ。
 しかし、それで逆上したらしい男の子が思いきりボールを蹴る。しかし、それは別の方向から飛んできたボールにより相殺された。

「お前達! サッカー部の神聖なグラウンドで何を騒いでいる!」
「神童くん!」

 ——おや、来たみたいだね!
 サッカー部のキャプテンこと、神童拓人が。神のタクトと呼ばれるものを使う彼には非常に興味がある。くす、と小さく笑うと怪訝そうな表情をした先輩が見えた。

「あの人は……」
「俺は、雷門中キャプテン、神童拓人! そして、此処に居るのが……雷門イレブンだ!」

 何だか楽しいことになってきたねえ……。
 ゆっくりと笑みを刻んで、ボクは立ち上がる。さて、まずは何処に行こうかなあ。辺りを見回せば、ボクみたいに楽しそうな表情を浮かべている人が目に入った。見たことある、そんな人。

革命かぜを起こせ、新たな雷門イレブン」

 こそ、とボクに囁いてその人は何処かに行ってしまった。変なの、と呟きながら、ボクはただ成り行きを見守った。






扱いにくいorz