二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第2話 ( No.23 )
日時: 2011/08/31 19:18
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: l78GGQ1X)
参照: 合作とかやってみてえ……(


「俺達の代わりだと……!?」

 ふぇ? いや、あの、何か言ってたの? 全然聞いてなかった。あは。まあ、聞かなくても良いよね、こんなクズの言うこと! あ、ごめん、クズっていうのは皆のことだよー。ボクより弱いくせに五月蠅いなあ。——なんちゃって。本性だけど本性じゃないよ。

「真の雷門イレブンは俺達だ!」

 神童先輩が意気込む。んー、それもちょっと違うかもしれない。大体、どうせぼろ負けして退部すんのがオチでしょ? あ、神童先輩かどうかは分かんないけど、何人かは退部するよ、多分。ま、ボクみたいに入部する子も少なくは無いと思うけどね。

「あぁ、待ってたぜ」

 分かってたみたいだ。ええと、この子の名前知らないや。面倒だから不良くんって呼ぼう。不良くんは口角を釣り上げる。わっるい笑み。
 チョココロネ君が唖然とした表情で見つめている。この子、多分しんにゅーせーだね。何も知ら無さそうだし、馬鹿みたいな顔してるし。
 っていうかさっきの不思議な人こっち見てる! 増えてる! 赤目の人とピンク色の目の人がじー、とこっち見てる。あれ、この人たち、監督の知り合い? 何か監督を苛立たしげに見てるし。

「さぁ、本番を始めようかァ」
「不当に暴れているお前たちと勝負をするつもりは無い。——それとも、正式に試合の手続きをとったというのか」

 ポン、と地面にボールが当たる音がする。何処までも真面目な神童先輩に、くつくつと笑う不良君。

「どうやら、自分たちの置かれた状況を理解していないようだな」

 不良君が空中に上げたボールを蹴る。それは威力を増して旧雷門中サッカー部の部室に直撃した。痛いほどの視線。殺気が肌を突き刺す。
 ——誰、だ?

「、ざっけんな……ふざけてんじゃねえよカス」

 先程の赤い目の女の人が怖い顔をして不良君——否、その場に居る全員を睨んでいた。殺気がびしびしと肌に当たる。あ、もしかして、この人——元雷門中サッカー部なのかな?

「、亜美ちゃんってば!」
「亜美センパイ!?」

 ピンク色の目をした女性と、音無先生の声が重なる。亜美、と呼ばれた女性は舌打ちをしつつも結局は何も言わなかった。相変わらず睨んだままだけど、殺気はだいぶ収まっている。
 予想外の人物に驚いていたのは、ボクだけじゃない。不良君たちのメンバーも、雷門中サッカー部のメンバーも、皆呆然としている。

「あーあ、割れちゃった……」

 何時の間にかサッカー部と書かれた名札のような木で出来たものを持ってきたらしい女性がぽつりと寂しげに呟いた。

「、っくく……良く聞け、これは提案ではない。——命令だ」

 ぽん、と神童先輩の肩に手を置いた不良君がにやりと笑う。っ貴様、と神童先輩から思った以上の低い声が聞こえた。
 ——きっと、皆怒ってるし、苛立ってるだろう。

「じゃあ始めますか。———キャプテン?」

 そして試合は始められる。先ほどの亜美、という女性の隣にボクは座った(勿論、ベンチの方だ)。ピンク色の目をした、というか天パが特徴的な女性は音無先生と話している。チョココロネ君は立っている。座ればいいのに。

「……ええと、君誰?」
「、あなたこそ誰ですか。ボクは雲月奏です」
「あー、私は亜美。宜しくね、奏ちゃん。それにしても、雲月、聞いたことあるなぁ」
「兄の方じゃないんですか? 雲月空って言うんですけど」
「あー、空の方ね、成程」

 他愛もない会話をしながら、ボクはのんびりと試合の様子をうかがった。






亜美&彩音とーじょー。←