二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第4話 ( No.31 )
- 日時: 2011/09/01 16:10
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: l78GGQ1X)
- 参照: スランプ? いいえ、ノマカプにハマっただけでs。
*亜美視点*
「おーっと此処で雷門サッカー部、手続きがまだ終わっていない新入生を出してきた! 一体何を考えているのでしょうかーっ!」
実況の角馬くんの声が響く。ふわり、と小さく笑いフィールドに降り立つその姿は何処か懐かしい、そんな気がした。誰と似ているんだろう。彼女は、私の知る誰かと酷似している。様々な部分、が。
そして試合は再開される。
「、甘いね」
奏ちゃんがボールをキープしながら黒の騎士団のDFを一気に抜き去った。やるねえ、と言う前に奏ちゃんはその勢いでボールをゴールへと叩き込む。再開されてまだ、5秒も経ってないそんな時なのに、だ。
敵GKが動くより早く、奏ちゃんの蹴ったボールはゴールネットを揺らす。呆然としているその場に居る全ての人間に奏ちゃんは笑った。ふんわりと、優しく。微笑にも似た笑みを浮かべ、ゆっくりと奏ちゃんは自身の位置へと戻る。あれ、何かこれ、見たことあるような無いような。帝国戦の時みたいだ! 源田くん潰したときの!
「、強っ! 何あの子エイリア学園?」
「彩音ちゃん、エイリア石の力なんか使ってないよあの子。……生れ付き、というわけでもなさそうだけど。まあ、兎に角、あの子は強い」
口を動かしているのは私と彩音ちゃんだけだった。彩音ちゃんが少し間の抜けたことを言っているのを聞いて私は苦笑を浮かべた。しかし、奏ちゃんは其れっきり何もしなくなった。パスを受け取っては取られたり、それを味方に渡すだけで。黒の騎士団は容赦せず点差をどんどん離していく。気が付けば10-1というスコアがスコアボードに書かれていた。
「、監督! 何とかならないんですか、……監督!」
松風くんが焦ったように久遠監督に詰め寄っている。なんとかするのは監督じゃないし、何とかなるでしょ。はあ、と溜息を吐けば私は監督の前に立つ。
「私を試合に「却下」……彩音ちゃん」
「、あの人に言われてるんでしょ? サッカーはやるな、って。大体、リーグ戦が控えてるのにサッカーをする馬鹿が何処に居るの! しかも、亜美ちゃんはもう23歳よ!? 大人なの、大人!」
彩音ちゃんにそう言われたら止めるしかない。怒らせると怖いから、だ(彩音ちゃんは怒るとかなり怖い)。
松風くんがポカン、とした様子で監督と私達を交互に見ている。
「松風天馬、」
「、はい」
「予備のユニフォームを着ろ」
、え? と松風くんは驚いたように監督を見る。私はくすりと笑った。え、でも、この子何か見るからに弱そうだし、大丈夫かな。
お前を試す、と言った監督が手を挙げる。奏ちゃんの時みたいに。
「選手交代、南沢篤志に変わって……松風天馬!」
*
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