二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【霧野蘭丸root】 ( No.9 )
日時: 2012/01/10 18:24
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: yTgpXhnH)

〈霧野蘭丸root.Episode3.Event1〉

 「お前、今朝の……失礼女!!!!」
 「なっ……」

 僕が、教室へ入り、自己紹介をしようとした瞬間——今朝も聞いたような、馬鹿でかい声が教室中に響いた。
 ——そう。霧野蘭丸の声が。

 「「「「女?」」」」

 霧野の言葉に、クラスメイトは首をかしげた。当然である。何しろ、僕は今、学ランを着て男になりきっているのだ。誰が、僕を女子だと見抜けるだろう。

 だが、予想外に、先生も服装に関して口を出してきた。

 「ひっ、日向……?! 何故、お前は男子用の制服を着ている……?」

 ちぇ、ここまでか……。僕——あたしは、あっさりと賭けに負けて、女だと認めざるを得なくなった。

 「……はぁ。ここまでかよ。ツマンネ」
 「「「「……?」」」」

 状況が読めたのだろう。クラスは、静かな雰囲気から一変し、直ぐに騒がしさを取り戻した。
……こっちもこっちで、面白いけどな。
 
 「……日向未律、一応女でーす。今日は、ネタで学ラン来てきました。希望があれば、明日からも着て来まーす(笑い)」

 意外と良いクラスらしい。直ぐに笑いが起こり、「明日からも着てきてよー」などという掛け声があちこちから聞こえてきた。……こういうノリは嫌いじゃない。

 「んじゃ、席、霧野くんの横でいいっすかー? ……あたしら、知り合いなんで」

 驚きで固まる先生を無視し、あたしは霧野蘭丸の横の空いている席に腰掛ける。

 「なっ……!! お前なんかと知り合いじゃ……」

 霧野蘭丸、どうやら不満があるようだ。

 「うっせぇ。お前、『知り合い』って言葉の意味解ってんのか? 知ってるから知り合いっていうんだよ」

 睨みをきかせて、屁理屈で返すと、霧野蘭丸は怯んで黙りこんでしまった。……可愛いな、男のくせに。
 という訳で、お得意の睨みで先生をも黙らせると、さっさとHRを済ませるように目で訴える。

 「んん……。では、これでホームルームを終わる。号令」
 「きりーつ。きをつけーれい」

 HRが終わった。

 因みにそのあとあたしは、質問に殺到するクラスメイトの波に押し潰されるという事態にあった。
 今更思う。——こんな、変わったカッコ、してくるんじゃなかった。