二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【霧野蘭丸root】 ( No.12 )
日時: 2012/02/18 10:07
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: DoyHUJg.)

〈霧野蘭丸root.Episode4〉

 「未律サマのご趣味は何ですか?!」
 「えーーー? 趣味? サッカーとか? ……つか、その『未律サマ』てヤメろ」

 日向は、そのさっぱりした性格から、男女問わず人を惹きつける。これは、昔からのことだ。
 ——今も。
 そう。今も、彼女の席の周りには、男子女子綯い交ぜになっての巨大な人集りができている。
 隣の席の霧野蘭丸は、迷惑そうに彼等を(特に中心人物——日向未律)を睨みながら、親友の神童拓人の元へと移動する。

 「……迷惑」
 「ははは……。凄いよな、日向。何ていうのかな? ……オーラ?」

 神童は、霧野の怒りの混じった呟きに苦笑しつつ、転入生に対する自身の印象を述べる。
 
 「サッカー、やるみたいだぞ?」

 自分に同意してくれなかったことに居心地の悪さを感じているのだろう、霧野は不快感を顕にして、黙り込んだ。
 そんな彼に苦笑しつつ、神童は、霧野が食いついて来そうな話題を提供する。

 「……ろくなプレーしないだろ……」
 
 霧野は、神童の気遣いもお構いなしに、冷たく言い放つ。

 すると——。

 「誰が、ろくなプレーしないだろって? 蘭丸ちゃーん?」

 頭に怒りマークを浮かべた日向が突っかかってきた。
 霧野も、流石に「蘭丸ちゃーん?」には腹が立ったのか顔を真っ赤にする。

 「お前みたいにチャラチャラした奴がろくなプレーできるわけないだろって話だよ!」

 一瞬にして、教室は静まり返る。
 すると、日向はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 「じゃあ……あたしとアンタで、勝負、しよっか?」

 「……望むところだ」

 霧野もここまで来たら引き下がれない。それに断る理由もないし、これを引き受けた。

 「放課後、楽しみにしてるな。蘭丸ちゃーん」