二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【霧野蘭丸root】 ( No.13 )
日時: 2012/01/14 14:03
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: yTgpXhnH)

〈霧野蘭丸root.Episode5.Event2〉

 放課後——。
 両者は、自身満々のどや顔でグラウンドへと足を運んだ。

 「なあ、日向。……条件付きでやらないか?」

 霧野がある提案をする。

 「俺が勝ったら、お前は俺の言うことを聞く。お前が勝ったら、俺はお前の言うことを聞く。……どうだ?」

 もちろん、日向の返事はオーケー。

 「……面白い。ノッた」

 前戯はここまでにして、そろそろ勝負が始まるようだ。
 ルールは、さきにシュートを決めたほうが勝ち——単純なものだ。

 「では、始めようか」
 
 審判は、神童が務める。神童の咥える笛が音を鳴らしたら、キックオフだ。

 
 ——ピーっと、笛の音がグラウンドに響いた。試合開始だ。


 はじめは、日向がボールをキープしている。何でも、ハンデだと霧野が格好付けて、日向からのキックオフになったのだ。

 (……コイツ、思った以上に足、速ぇ……)

 霧野は、内心、日向のドリブルのテクニックに大層驚いていた。

 (さすが、サッカー部。やっぱヤルねぇ……でも)

 日向も、霧野のデフェンスの技術に感心しつつも、まだまだ、余裕の笑みを見せている。

 (……これなら、勝てる)

 足の速さでは、日向のほうが上だ。食らいついてくる霧野を華麗によける。

 だが、やはり男である霧野のほうが、力はある。
 
 「……っ」

 渾身のスライディングで、あっさりとボールを奪う。

 「おっ、おおおおお?!」
 
 日向はバランスを崩して倒れてしまった。普段、スライディング、タックルなどをされることが無いので驚いたのだろう。

 「大丈夫か? ……悪ぃ。ちょっと強引だったな。ケガ、無いか?」

 すると、霧野はやり過ぎてしまったと反省し、日向に手を差し伸べた。

 「なっ……///」

 日向は、優しい微笑みと、言葉にドキリとして顔を背けてしまう。

 「じ、自分で立てる……から」

 そう言って、自分で立った。

 (何だよ……。調子、狂うじゃねぇか……。あーもぉぉ、ドキドキする! 顔熱い……)