二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【霧野蘭丸root】 ( No.20 )
日時: 2012/02/14 19:01
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: DoyHUJg.)

〈霧野蘭丸root.番外編/Valentineday〉

 「みお、今日は何の日だか、知ってる?」
 「そもそも今日って……何月何日?」
 「……う。2月14日」
 「ふーん」

 話し声の響く、休み時間。霧野蘭丸は、半ばねだるように日向未律にバレンタインアピールをしていた。

 「あ、あの……霧野くんッ」

 そんな中、クラスの中の女子一人が、何やら小さな箱を持って霧野を呼び止めた。……その箱は、おそらくチョコレートであろう。

 今日——2月14日は、バレンタインデー。女子も男子も張り切る、一大イベントだ。これを機会に何か思いを伝える、と言う人も少なくなかろう。彼女も、その一人のようだ。

 「こ、これ……もらってほしいんだけ、ど……」

 クラスメイトの女子は、上目遣いで霧野を見つめる。本気のアタックだ。不安そうな声色をしている。

 「……ん。サンキュ」
 
 それを払拭するかのように、霧野の爽やかな笑顏がはじける。……だが、これは営業スマイル。タテマエだ。霧野は、基本的にはモテル男なのだ。バレンタインにチョコを貰えず……なんて悲しい思いはしたことがない。

 「……良かったぁ……」

 女子は、ほっとしたように付き添いの友達に抱きつく。そして、涙目のまま去っていった。

 「っつーわけで、みお!」
 「……何?」
 「………何って」
 「…………何?」

 霧野にとって、欲しいモノが手に入らない……というのは初めての経験だ。

 「……言ってご覧よ、霧野氏」
 「……う」

 日向は、そんな霧野の様子がたまらなくおかしくて、ついつい虐めてしまう。
 
 「……みおのチョコ、ほしい」
 
 霧野は、断念したようにうなだれると、顔を赤くしてねだった。

 「んー……そんな事言っても、みおは女の子じゃないのであげませーん」
 
 日向の一言とともに霧野は、死んだ。