二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【剣城京介root】 ( No.32 )
日時: 2012/02/22 20:16
名前: macra;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: DoyHUJg.)

〈剣城京介root.Episode3.Without剣城京介〉

 「あ、三国さん、お疲れ様です。……架場先輩も、お久しぶりです」
 「お。しんどーくん。おひさしぶりだねー」
 
 ——放課後。
サッカー部の部室に入ってきた三国と、陽丹を迎えたのは、サッカー部キャプテン——2年の神童拓人だった。
 陽丹は、ごくたまにサッカー部に出入りするため、部員たちとは顔なじみである。今回の訪問は、3年になって初めての訪問のため、1年生諸君とは初の顔合わせとなる。

 「はじめましてだねー。……ええっと」
 「コイツが松風天馬だ」
 「おお。たいちがいつも話してる、ねっけつしょうねんだねー。……とってもかわいい子だ。よにはね『はさばよに』っていうんだー。よろしくー」

 そんな調子で、剣城以外の1年とは挨拶を済ませた。天馬や信助といった、天然バカキャラは陽丹と波長が合うらしく、話も弾んでいた。……が、やはり、狩屋とは合わなかったらしい。

 「つるぎきょうすけくん……は、まだ来てないのかな」
 「遅いですね……」

 神童も遅刻の理由は聞いていないらしい、あたりをきょろきょろと見回し、知っている者がいないかを確かめる。

 「……先に、練習始めちゃいましょう」

 一向に来る気配がなかったため、部活を始めることにした。
 
 
ふぁさ……。


 「ほぇ……?」

 陽丹の肩に、柔らかい感触があった。それは——ジャージの上着の感触だった。

 「着とけ」

 三国は、素っ気なく言うと、陽丹に背を向けていった。
 
 「たいち、ありがと」