二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【霧野蘭丸root】 ( No.33 )
日時: 2012/02/22 20:41
名前: macra;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: DoyHUJg.)

〈霧野蘭丸root.Episode10.Event7〉

 「みおー、ちゃんとおねだりしてごらん?」
 「……ら、らんまるぅ……っうう、ハズい……」

 可愛いトコ、全部引き出す——とは、こういうことだったのだ。うむ。要はあたしに、口調まで女になれということだ。それだけならまだしも『ロリ系の超絶可愛い声で』などと、いらぬオプションをオーダーされてしまった。

 「……みお?」
 「はい」
 「みおは、勝負で俺に、負けたんだよね?」
 「はい」
 「何でも言うこと……きくんだよね?」
 「……はい」
 「よし、やろう」

 ……いくらなんでもドS過ぎます蘭丸さん。
 だが、あたしとて男!! 否、女!! 言ったからには、やらぬわけにはいかぬ! これは、男と男……否、男と女……いや、違う……男の娘と女の契なり。

 「らんまるぅ……みおのこと……いっぱいいっぱい、ぎゅう……ってして?」
 
 意を決して臨んだダイブ。一時の沈黙が流れた。……あたしは知っている、この沈黙の名を。——シラケって言うんだぜ? 知ってたか?

 「うあわああああわああああああ……///」

 ああ、みおはこんなの耐えれません。今直ぐにでも死にたい。誰か殺してくれても構わない。

 「み、みお……ちょ、可愛すぎっ……だから……」

 うん。絶対に死んだほうがマシだ。だって、この真っ赤になった蘭丸様のご感想を今から拝聴することになるのですよ? ん? なんだって? ふんふん……って

 「え」

 『み、みお……ちょ、可愛すぎっ……だから……』

 今、あたしの脳内では約一万五千回このセリフがぐるぐると回った。……あ、これ推定な。

 「可愛いって……男の娘の蘭丸さんがですか?」
 「いっ、イイエ……女の子のみおサンがです」
 「はっ……///」

 あたしは知っている。知っているぞ。このパターンを。あたしの恥ずかしいアクション→蘭丸さん赤面(何故だ)→……ドS蘭丸さ……

 「みお、俺の前ではその口調決定な」
 「は? ……学校でどうすんの?」
 「ふーん、皆の前でなければしてくれるつもりなんだ……」
 「ちょ……あたしは、そんなことッ……」
 「じゃ」

 蘭丸さんの減らず口がいきなり、静かになった。

 「みお、二人きりの時だけでいいよ。……いろんなコトしよ?」
 「……わ、わかった///」

 その時の蘭丸の顔は、息を呑むほど……本気で惚れちまうほど、格好良かった。

 「じゃ、みおのご希望通り……ん」

 次の瞬間。
 あたしは、蘭丸の腕の中にいた。

 あたし、知ってるよ。……蘭丸の腕の中が、こんなにも暖かいこと。