二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 貴方なら、どう攻略する?【霧野蘭丸root】 ( No.41 )
日時: 2012/03/08 18:38
名前: ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: 8gvA/W.A)

〈霧野蘭丸root.SideStory/らんまるのキ・モ・チ〉

 ——入学式初日。

 俺は、春の陽気にあてられ、すっかり朝寝坊をしてしまった。部活の朝練もすっぽかし、遅刻寸前だ。

 少し遅れて校門をくぐると、佇む人影がひとつあった。

 男子用制服を身に纏った、女。黒くつやのある長い髪が風になびいており、その横顔は……絶世の美女だといっても過言ではないと、俺は、思った。

 彼女はこちらを向き、俺の姿を認めると、ニコッと微笑むと——
 
 [おっもしれぇ! なあ、お前も男装してんのか?!]

 俺の癇に障る一言を発した。
 ……その一言で、俺の頭には血が登った。

 ——それが、みおとの出会いだったんだ。大切な、大切な。





 その女が同じクラスだとわかった後も、なかなかアイツを認めることは出来なかった。

 「……すげー、タイプなんだけどな……」

 あの一言がなければ、あの場所で運命的な出会いを果たし、恋に発展していたかもしれない。何しろ……ドストライクなのだ。

 「……う」

 特に目があった時にする、微笑みともはにかみともいえない微妙な笑顏。その時、少しだけ首を傾げる癖があることも知った。

 ——自分の精神年齢が、小学生以下だということも。

 「あああ……イライラする。……何であんなに」

 何であんなに可愛いんだよ。






 後に、俺の心は完全にみおに支配されてしまった。——みおの、総てに。
 
 ——サッカーだって、すげー上手いんだ。

 女の子っぽいところ、みおの背負ってるもの……色々と知って、みおの総てに支配されてしまったんだ。

 ——守ってやろう。
 ——幸福にしよう。

 そうきめたんだ。


 きっと、そうすることで、自分の中の何かが変わるはずだと思ったからなんだ。——彼女の姿と、自分の姿を重ねあわせて。