二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*参照500突破! ( No.151 )
日時: 2011/09/19 13:11
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

第15話 数学

橘「も〜、つきのんのせいで凄く入りにくくなっちゃったじゃん!」

1時間目が始まる前の休み時間。すっかり現代女子な橘が、月乃に愚痴を零す。

月「…私は事実を述べただけ。」

橘「事実?」

橘が歌音を見る。状況を説明して、という視線を受け止めた歌音は、さっきまでの話の流れを一通り説明した。

説明が終わると、質問者はニコ、と笑い歌音に提案した。

橘「じゃあ、どうなるか一緒に見に行こうよ!」



1時間目は数学だった。

天馬は遅くまでサッカーの練習をしていたのか、うとうと眠りそうな状態。

葵が先生に気付かれないかと、はらはらしながら見守っている。

一方月乃はと言うと殆ど授業は耳に入れず、外のグラウンドを見ていた。今までは視線の先に何も無かったけれど。

「いーちにーさーんしー!」
「ごーろーくしーちはーち!」

前者は体育係が、後者は残りの生徒が。

グラウンドでは2年の合同体育が行われていた。まだ始まったばかりで準備体操をしている。

神童や霧野、その他サッカー部の2年もちらほら居る。月乃も見た事がある人達だ。

月「…」

教師「月乃さん、聞いてますか?!」

外ばかり見ていた彼女に気付いた教師が、注意した。彼女は少しだけ顔を教師に向ける。

もう完全に寝てしまっている天馬は気付かれていない様子。

教「そんなに体育がしたいんですか?!」

まさか、と生徒の誰かが呟く。

体育の授業の内容は全学年共通で、今は持久走。そんな疲れる物をやりたがるのは、変わり者だけ。

月乃は無言で答えない。ならばと教師が黒板に数字を書いていく。やがて完成したのは方程式。

教「これを解いてみなさい。」


賢い転校生の話題は、一時期職員室の話題を占領した。1年の担任は、テストをしたら学年5位は確実だと言っていた。

どんな生徒か見たがる教師は多かったが、何しろ全校生徒1000人を超えるマンモス学校。機会には恵まれない。

この数学教師も、今日が初授業だった。



月乃が、ちらりと黒板を見た。

分数が多く、分母も奇数だったり偶数だったり。しかも長ったらしい一次方程式。

授業に付いて行けない様な生徒なら、目を覆うだろう。月乃はそれを10秒程じっと見つめ、口を開いた。

月「…Ⅹ=7。」

教「正解!!」

その瞬間、拍手が起こる。

「すげー」と褒め称える声、「何者?!」と驚く声、「尊敬ッ!!」と感嘆する声…を、目覚ましに天馬が起きる。

天「・・・?」

辺りをきょろきょろ見渡し、目に入ったのは賞賛している生徒と、蚊帳の外、という雰囲気を無理矢理作ろうとしている月乃。

と、彼女が天馬に気付く。そして先生、と静かに言った。…天馬の背筋に冷たい物が走る。

月「先生、天馬さんが寝てました。」

天「えっ、やっ俺はっ…」

八つ当たりの対象者、松風天馬。

教「何ッ?!」

全員の視線が、天馬に向けられた。