二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*参照1000突破!!! ( No.390 )
日時: 2011/11/09 04:07
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

第42話 神童邸、異変


フ、と男が笑った。

磯崎に悪魔のことを教えた男が、今は魔界に居る———この男は、魔界を治める魔王だった。

魔王「残念だったな…だが、やはり中学サッカー界にヴィエルジェが居ると裏付ける事は出来た。」

そうですね、と近くに居た悪魔が小さく相槌を打つ。

悪魔「あの時感じた力は、紛れもなくジャスティーの血を引く者の力…」


魔界には、かつて最強と呼ばれた悪魔が居た。


それはS級の天使さえ簡単に吹飛ばされる程に強く、絶対的な力を持ち、天界に攻めた時は悪魔の誰もが魔界側の勝利を確信した。


ただ、あいにく天界にも最強と呼ばれた天使が居た。


それは辺りに居る悪魔を簡単に蹴散らす程に強く、絶対的な力を持ち、悪魔が攻めた時には天使の誰もが天界側の勝利を確信した。


勝ったのは聖なる力。


魔王「急げ…急いで、ヴィエルジェを捕まえるのだ。」

悪魔「ハッ!」

悪魔が居なくなった時、魔王は1人きりの大きな部屋に、響かない様な小さな声で、呟く。

わが命は、もう短い…、と。





剣城「…兄さん?」

緋色に染まった空の下、車椅子の兄を見つけた剣城は屋上の扉を開け放つ。声をかけると、見たことのある人物を発見した。

南沢の姉。

優一「京介。」

鈴音「!初めまして、南沢篤人の姉の鈴音と言います。」

どうも、と軽くお辞儀をした。と、後ろからパタパタと足音がして振り返るとオレンジの髪の女性が走り去っていく。

風香「鈴音、もうみんな帰るよ!!」

鈴音「あ、ああ…じゃあ…」

言葉の最後を濁して、鈴音は屋上を出て行った。

2人になった屋上。剣城が話しだすタイミングを見失っていると、優一が口を開く。

優一「今の人、流星魁渡の知り合いだって。」

剣城「…ナガセカイト?」

記憶を探る。何処かで聞き覚えのある名前だった。…思い出されるのは幼い頃見たテレビ。


『FFIの日本代表として活躍した流星魁渡さんが、決勝試合終了後、何者かが投げたとみられる槍によって…』


剣城「!!!」

微笑みながら、兄が言う。

優一「憧れていたサッカープレイヤーのこと、忘れたのか?京介。」

イナズマジャパンではGKで活躍したり、どんどん点を取って行こうという姿勢だったり、そう言った所に幼い頃の剣城は憧れた。

今ではすっかり忘れられた人でもある。

剣城(…確か病室は…)

後で病室に行こうと思ったのだった。




医者「命に別条は無いでしょう。」

その言葉に、神童は胸をなでおろした。月乃は無表情で首を絞められた所に触れている。

神童邸に帰って来た2人は、ひとまず医者を呼んで月乃の首を診察してもらった。結果、命に別条はないとの事。

医者「…ですがね、」

帰る間際、医者は神童に耳打ちした。

“精神面での影響が無いとは言い切れませんので、お気をつけて。”


神童(精神面…)

月乃に視線を移す。

めっきり口数が少なくなった彼女は、大人しくソファに腰掛けていた。無表情でぼーっ、としている様にも見える。

休ませよう、と思ったが試合をした後と言う事を考えると。

神童「月乃、風呂入って来て良いぞ。」

月乃「!っはい…」

ビク、と体が震えたのは突然声を掛けられたから。

部屋を出ていく月乃の後ろ姿を見たって、翌日あんな事になるとは思いもしないだろう。




いつも通りに起きた、それなのに…。







神童「…月乃…?」