二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*参照1000突破!!! ( No.424 )
日時: 2012/01/04 15:54
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

第44話 記憶と予感を、胸に。


聞く覚悟は、というか細い声が聞こえた。

その言葉に驚いて彼女の顔を見ると、その先の言葉を呑みこんで俯いた後、複雑な表情で布団を握り締めている。

月乃「…この話をどう受け止めるかは、兄様次第です。」

神童「俺、次第?」

何となく怖くなった。もしかして、彼女は何か裏の世界にいたとか、身内が犯罪者だとか…?

けれど、次に聞こえてきた声は想像以上だった。




月乃「この世には、天上界と言う世界が存在します。」









日本にあるクラリス家の別荘。

そこには奏宮歌音と、クラリス家の社長であるラティア・クラリス、その双子の姉であるティアラ・クラリスが住んでいる。

ティアラ「ん…」

伸びをしてから、時計を見て時間の遅さに驚いた。もう9時半を回っている。

ティアラ「寝過ぎちゃったなぁ…。ん?」

ふと自分の携帯電話を開くと、新着メールありのメッセージ。内容を見てみると、飛び込んできた文字に瞬きを忘れた。

時間が止まる。動きが止まる。…動く事を忘れた。

ティアラ「…っ、嘘…?」

ようやく紡いだ言葉で、時間が再び動き出した。

信じられない、と頭の中で思う。それでも体が勝手に動く。部屋を出て自分部屋の右隣、妹の部屋のドアを叩いた。

何度か名前を叫ぶと、ドアが開いた。睡眠を取れていないらしい彼女から、疲労を感じる。

ラティア「何よ…?」

ティアラ「魁渡がっ…魁渡の意識が戻ったって!!!!」

ラティア「ああ、魁渡ね。…って魁渡?!」

珍しく、ラティアが目を丸くした。

きょとんとしているラティアの手をとって、ティアラは言った。

ティアラ「病院、行くよね??!!!」

ラティア「…歌音も連れて行くなら。」

何その条件、とティアラが言っても、ラティアは答えない。ただ、出かける準備を始めただけだった。




この世に存在する天上界。

その世界は更に2つに分けられる。1つは天界、1つは魔界。

天界には神と女神、天使と死んだ人間や動物の魂である聖霊が住む。人間を自分達の兄弟と考えて人間界を守る正の世界。

魔界は魔王と悪魔が住み、人間界を支配しようと考える負の世界。

天界は、魔界との衝突により女神が不足してしまっている。こうなると人間界のバランスが崩れ魔界側に有利。

だからと女神に合わない聖霊が女神になっても、精神面が弱いからいけない。

女神も天使も、その力を暴走させないために精神が強くないといけないから。







月乃が続きを話そうと口を開いた時だった。

インターホンの音が響き、その少し後にドアがノックされた。メイドが来客を知らせる。

メイド「奏宮歌音さんが、杏樹様に会いにいらっしゃいました。」

月乃「…直ぐ着替えて出ます。」

奏宮か。

こういう場合は、来客の相手をするのが正しい。月乃がここに居る事を知っているのだから俺が出たって問題は無いだろう。

そう思って玄関へ向かおうとすると、丁度月乃が出てきた。……着替え早いな。

神童「…早かったな。」

月乃「何着るかは決まっていたので。」

そう、コーディネートは決まっていたらしい。しっかりまとまっているし、きちんと着こなせている。

玄関へいくと、奏宮は月乃を見て表情が明るくなった。仲が良いらしい。

…友達がいて良かったなんて俺は月乃の保護者か。←

歌音「今日は杏樹にゲームを紹介…」

ティアラ「歌音っ!!!」

神童「!?」

バタンッ、と勢い良く開いた扉。

飛びこんで来たのはクラリス家社長の姉、ティアラ・クラリス。知ってる、確か話した事も…。

歌音「…思ってたより早く起きたのね。」

ティアラ「病院行くよッ!急いでっ!!!」

歌音「話が分からな…」

ティアラ「魁渡の意識が戻ったの!!!」

全然話が分からない。ティアラさんは相当混乱しているらしく、けれど最後の一言で歌音には話が通ったらしい。

月乃は困惑の表情で2人を見つめている。

歌音「…私、杏樹とポケ○ンやろうと思ってたんだけど。」

ティアラ「じゃあ車の中でやって!!」

歌音が振り向くと、月乃は小さくうなずいた。

ティアラ「あ、拓人いたんだ。一緒に行く?!」

神童「良いんですか?!」


内心、魁渡さんにあってみたいと思った俺は、一緒に車に乗り込んだ。




ラティア「おまけが2つも付いてるのね。」

ティアラ「まぁ良いじゃん^^;」


*to be continued...*