二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*〜§バトン完成§ ( No.527 )
日時: 2012/03/09 23:06
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

第51話 俺の携帯電話は!?


———数刻前・in雷門中

〜円堂SIDE

「監督、お電話です!」

振り返ると、雷門中の教師の姿が。名前は知らないけど…。

円堂「誰から?」

「…それが、帝国学園からで。」

ミーティングでざわついていた部室が、静まり返った。帝国?今度対戦する相手から?

神童「…帝国。」

円堂「繋いでくれ。」

不安げな神童の呟きが聞こえた。脳裏には練習試合に向かったテニス部が浮かんでいる。

だが鬼道にしても顧問にしても、連絡があるのならわざわざ学校を通してこないはずだ。直接携帯電話に連絡を入れるだろう。

疑問に思いながらも受話器を取る。

円堂「代わりました円堂です。」

『円堂か。』

予想通りの声———鬼道だ。

円堂「何の用だ。」

鬼道『…その様子だと、違うようだな。』

円堂「?どういう意味だ。」

鬼道『…もう用件は済んだ、き(円堂「!?待てって!どういう事だよっ!!?」

訳が分からない!一言二言話しただけで用件が済んで切るぞ?しかも普通にあいさつしただけだよな!?

円堂「せめて用件が何だったのかは…」

鬼道『分かった、一応質問しておこう。円堂、お前今日俺に携帯から連絡したか。』

円堂「…え?」

鬼道『その反応で十分だ、今度こそき(円堂「だからどういう意味だよっ!!」

携帯で?今日は誰にも電話をかけてない。でも鬼道がした質問の意味を考えるなら…。

円堂「俺の携帯から着信があったのか?」

鬼道『…円堂、今携帯を持ってるか。』

円堂「?ああ、持ってるけど…」

ポケットから携帯を取り出す。

肌身離さず…というのは大げさだとしても、出来る限り持ち歩いている。だから落としたりはしていないはずだ。

鬼道『その携帯、本当にお前の物か。』

…嫌な予感がする。

携帯を開けて、待ち受けを見ると————。
















国民的男性アイドルグループのメンバーが、画面の向こうから笑顔を向けていた。


円堂「…俺の携帯、どこ行ったんだよ鬼道…」

「「鬼道!?」」

鬼道『心当たりを探せ。』

ああ、そうだよな…探さないとな。

神童「大丈夫ですか、監督。」

床に座り込んだ俺を心配してくれたのか、神童がそばに来て声をかけた。

円堂「大丈夫だ、少し・・・」

…神童?

朝の光景が蘇る。月乃に関してテニス部の顧問と連絡先を交換した…あの時。確か、確か……。

円堂「テニス部だっ!!鬼道!!」

顧問と俺の携帯は同じだった!あの時、互いの携帯電話が入れ替わったことに気付かずそのまま顧問は帝国学園に向かった!

そうなると携帯電話は今、帝国学園にある!

鬼道『……分かった。』

円堂「あ、ところでその着信って」

(ガチャンッ…ツー、ツー)

…鬼道めっ!!突然切りやがって!!

それにしても何があったんだ?鬼道がわざわざ俺に確認を取ってくるなんて。前なら、直ぐに自力で解決してそうだけどな…。

ぼんやりと考え込む。

霧野「…監督、その待ち受けって…」

円堂「違うっ!これは俺のじゃなくって!!!」

しまった、携帯電話まだ開けたままだった!!!

**

〜鬼道SIDE

着信一件 【サッカー馬鹿】

…携帯電話は顧問が帝国に持ち込み、顧問はテニス部員に預けたという。

そのテニス部員は行方不明で、恐らく今回の着信はその部員によるものだと見て間違いない。

部員の名前は月乃杏樹、雷門中サッカー部に所属する謎の強さを持つサッカープレイヤー。

帝国学園サッカー部が、興味を抱くとともに警戒しているプレーヤーだ。

「鬼道さん、名前で登録されないんですか。」

佐久間が画面を覗き込んで言う。ああ、アドレスを登録するときに自然に指が動いてこうなっていたんだ。

鬼道「丁度良いだろう。」

佐久間「……」

さて、円堂の携帯がある場所に先程の助けを求める部員が居る……。


〝彼女〟とよく似た声を持つ、部員が……。



鬼道「…仕方がない。」

なりふり構ってはいられない。円堂の情報を元に考えれば携帯電話は帝国学園内にある。

もし部員が拉致されているならば外にある可能性も十分あるが、テニス部が探した話を聞くと学園の全てを探したわけではない。

まだ学園内にいる可能性もある。

鬼道「佐久間、練習は一旦中断だ。雷門中テニス部員の捜索にサッカー部は協力する。」

佐久間「!」

鬼道「その部員は円堂の携帯を所持、俺に着信を入れた。内容は助けを求める物だった。」

佐久間「…なぜ早く言わなかったんですか。」

そう言いながらも集合をかける佐久間。もっともだ、考えるためとはいえ随分躊躇していた気がする。

…俺は怯えていたのか?今まで動かなかった物が動きだしそうな予感に……。




鬼道「フッ…阿呆らしい。」







佐久間「テニス部員たちがまだ探していないのはこの辺りか…」

捜索を開始した佐久間は、会議室周辺を見渡して言う。彼の後ろには
サッカー部員数名が付いてきていた。

グループに分かれて探す、という鬼道の提案をうけ数人で手掛かりを捜索中だ。

まずは目の前の会議室から入ろうか、と佐久間が部屋のドアノブに手を伸ばした瞬間、雅野がその腕をつかむ。

雅野「コーチ、物音が…!!」

佐久間「!?」

雅野「この倉庫から!」

彼が指差した倉庫。そこに仕舞われているのは予備のサッカーボール等だが、現在使われる予定は無い。

不要な物が積み重ねられ、単なる物置と化している。

それ故、危険という事で教師や部活動の顧問のみ開閉が許されていた。

佐久間は少し考えてから鬼道へ連絡を入れる。耳を澄ましたが、その熱い扉のせいか物音を聞きとる事も出来なかった。

すぐに駆けつけた鬼道が扉をあける、


刹那、風がその場にいた全員の頬をなでた。


首をかしげる佐久間に対し、鬼道は中にいる人に向けて言葉を発する。








その言葉に振り返った少女は、彼等を見るなりその場に崩れ落ちた。




















発信 【鬼道】


メールの受信履歴でさえ、定めだったのかもしれない。


鬼道は出会った。


そして円堂同様感じていた。少女の中に〝彼女〟と似ている何かがある、と……。







鬼道「…大丈夫だ。」

目を凝らせば、わずかに争った形跡はあって。

力が入らない少女を落ち着かせるようにしながら、鬼道はそっと声をかけた。


** to be continued... **