二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*オリキャラ募集☆ ( No.615 )
日時: 2012/06/17 13:37
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

第65話 聞き間違い…?

ソフィア「…何なの、連絡も無しに帰って来て。」
アルモニ「え…?」

どういう事、と心の中で呟きながら天界を見渡す。アルモニの目には、何の異常も映らない。

賑やかに話す聖霊達と、見守る天使と、歌を唄う女神たち。

アルモニ「だって、聞こえたんだもん!ソフィアの…すごく傷ついた声。」
ソフィア「私の?」

ベンチに腰掛けたソフィアが、顔をしかめる。

ソフィア「…私は戦闘すらしてないもの。貴女の聞き間違いじゃない?」
アルモニ「えーっ!?」
ソフィア「私がそんな簡単にやられる訳ないでしょう。」
アルモニ「…確かにソフィアは強いし、1番の指揮官だけど…。」

本当に聞き間違いだったのかなぁ、とアルモニは首をかしげる。

すると何か考えていたソフィアは立ち上がって、ついてきなさい、と肩越しに振りむいてアルモニに言った。

ソフィア「月乃杏樹の追跡が出来なくなった、というのは伝えたでしょう。」

歩きながら、ソフィアは話し始める。アルモニがその言葉にうん、と返事すると、ソフィアはとある建物の前で足を止めた。

ソフィア「それで私は思ったの。……やっぱりアルモニ1人ではダメだった、と。」
アルモニ「え゛」

ソフィアはアルモニを無視して、建物の中へ入っていく。無視された本人は建物を見上げてから、駆け足で彼女に追いついた。

その建物は天使を育成するための校舎。魔界と天界の衝突に関する書物が何冊も置いてある為、天使になっても訪れる者が多い。

また近くには訓練専門の建物もある。

アルモニ「仕方ないでしょっ、あたしは1人!同じ時に何か所も存在出来るなら完ぺきに監視が出来るだろうけど…」
ソフィア「神童邸に潜り込むくらいの事はしてほしかったわ。」
アルモニ「は!?……って、あたし1人じゃダメだったって事は…!!」

技に関する授業を受けていた聖霊達が、教室の前を通っていく2人を不思議そうに見ている。

ソフィアは建物の中心部に来ると足を止め、空き教室のドアを開けた。

ソフィア「ええ。もう1人、人間界に行かせる事にしたの。一応知っておいて。」
アルモニ「!」

待ち切れず開いたドアから中を覗き込んだアルモニの目に飛び込んできた、白い髪。

その持ち主もドアが開いた事に気付き、アルモニと目が合う。

アルモニ「クローチェっ!クローチェが、人間界に来てくれるの!?」

嬉しそうにクローチェの手を握るアルモニ。同じA級天使としての仲間が来てくれるというのは、相当嬉しかったようだ。

クローチェ「…アルモニだったのか。」
アルモニ「?何が?」
クローチェ「ソフィアが言ってた、勝手に人間界に下りていった猪突猛進な天使長って…」
アルモニ「…ソフィア!あれだってあたしは考えてねっ…」

反論しようとするアルモニの言葉を遮る様に、ソフィアは言い放つ。

ソフィア「それより、貴女ここにいて問題ないのかしら?人間界と天上界には、同じように時が流れているのだけれど。」
アルモニ「へ?…嘘。」

携帯電話を開いて、アルモニは凍りついた。クローチェがのぞき込み、時間を告げる。

クローチェ「AM11時30分。」
ソフィア「学校始まってるじゃない。」
アルモニ「何でこんなに時間が経って…あ。」
ソフィア「ここに来るまでに、随分寄り道していたでしょう。」

思い出した事があるのか、アルモニは真顔で俯く。その思案顔にソフィアは顔をしかめながらも、早く戻りなさいと声をかけた。

ソフィア「クローチェ、貴女の任務は月乃杏樹の発見。そして記憶の確認だから…その為だと思うのなら、アルモニの命令は無視したって構わないわ。」
アルモニ「え!?」
クローチェ「分かってる。」
アルモニ「ええっ!?」

驚くアルモニの前に立って、クローチェは部屋から出ていく。アルモニも慌てて後を追い、部屋を出ていった。

2人の姿が見えなくなると、ソフィアにとある天使が声をかける。

?「何の騒ぎだったんだ?」

隣の部屋から出て来たのは、アルモニと同じ黒い髪を持つ天使、オラージュ。

ソフィア「迷惑だったのなら、謝るわ。アルモニが帰って来たから、クローチェに連れて行ってもらったの。」
オラージュ「…アルモニが連れていったんじゃなく?」
ソフィア「部屋を出ていったのはアルモニの方が後だったわ。」

肩をすくめて言うソフィア。アルモニは子供っぽい所があるからだと、オラージュは推測する。

オラージュはアルモニ・クローチェと同じくA級の天使。一人称が“僕”という珍しい天使だ。←

オラージュ「2人はどこに行ったんだ?」
ソフィア「人間界。アルモニが、私が傷ついて助けを求める通信が入った、って言って。……!」
オラージュ「?傷ついて助けを求める…?ソフィアは戦闘すらしていないのに?」

その時、何かに気付いたソフィアがオラージュが出てきた部屋…資料室に駆け込んだ。

その行動の意味を察知したオラージュも、続けて資料室に入る。

オラージュ「僕だって、伊達に10年も天界に居る訳じゃないから。」
ソフィア「…そっち1世紀分の悪魔の記録をお願いするわ。」

1世紀分、という数字に臆することなくオラージュは棚の本を1冊手に取り、最後のページに有ったメモリーカードを剥がした。

小型のPCに差し込み、暗証番号を入力する。すると空中にウィンドウが浮かび、彼女はそれに目を走らせる。

そこに記されているのは、悪魔の個体情報。

ソフィア(…必ず、居るはずなの…未来を知る事が出来る悪魔が!!)


*続く*
今回は時間の関係上イナGOキャラを出せませんでした;;
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