二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*オリキャラ募集☆ ( No.618 )
日時: 2012/06/18 18:43
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

[件名:Good evening!]
【今日外国から親戚が帰国したから、部活に行けないの!
連絡できずにすみませんでしたって監督と先生に伝えておいて下さいっっ><】

外国に友達が多いのね、と心の中で呟きながら歌音は携帯電話を閉じる。

雷門イレブンは、今帝国学園にいた。

静かで張り詰めた空気漂う校舎に、気の弱い速水は帝国学園の前に立った時からマイナス発言連発だ。

ただ、今は喜びの声が上がったばかり。なぜならば…

天馬「!久遠監督!!」

エレベーターの先に、懐かしい、尊敬した人がいたから——。


第66話 レジスタンスと爆弾料理との対面


レジスタンス——反フィフスセクターの組織だ。

イナズマジャパンの監督だった久遠道也、円堂がキャプテンを務めていた時代の監督・響木正剛。

元雷門中校長の日来校長、理事長の雷門総一郎。そして帝国学園サッカー部総帥の鬼道有人が主なメンバーだ。

雷門イレブンは伝説の雷門を語る上で欠かせない人物達との対面に、緊張を隠せない。

響木は円堂に、今まで教えなかった事をまず詫びた。そしてそうする事で、今まで水面下で活動できたことなどを語る。

鬼道「俺達は、現聖帝イシドシュウジを聖帝の座から引きずり落とし、響木さんを聖帝にしたいと考えている。」
剣城「…聖帝を?」
歌音「そうする事で、少年サッカー法第5条などが廃止できる訳ですね。」

歌音の言葉に、鬼道は頷く。

『第5条——サッカーは、皆平等に愛されるべきであり、その価値ある勝利も平等に分け与えられるべきである』

これに基づいて、勝敗指示が行われているのである。

スコア、更にはシュートする選手まで指定された指示は、少年達から熱いサッカーを奪っていった。

久遠や響木は、そうして行われるサッカーの試合を【腐敗したサッカー】と称した。

そしてホーリーロード本選は、聖帝の選挙も兼ねている。試合で勝利したチームが投票する事が出来るのだ。

しかし雷門が相手にするチームはどれもフィフスセクターの息がかかっているチーム。つまり…。

久遠「お前達は、今度の決勝を勝ち上がり全国大会に行かねばならん。もはや、負ける事は許されないのだ。」

じっとサッカー部全員を見て、久遠が言う。強い目をした神童が、口を開いた。

神童「もう俺達は、負けることなど考えてはいません。」
三国「むしろ心強いです。俺達だけが、反逆の狼煙ノロシを上げている訳じゃ、無かったんですからね。」

久遠からのプレッシャーに、笑顔すら見せながら心強いと言う三国。

歌音がちらりと彼の方を見ると、気の弱い速水は相変わらず汗を浮かべて戸惑った表情をしていた。

霧野「…すごい事になってきたな。」

歌音(本選で聖帝選挙に勝って、目の前にいる老人を聖帝にする…)

実感が湧かないわ、と小首を傾げる歌音。ただ、その近くでされる水鳥と山菜の会話に、理解すべき事が叩き込まれた。

水鳥「これって、もしかして歴史が動く瞬間に立ち会ってるんじゃねーか?」
山菜「立ち会ってる…思いっきり。」

天馬(革命とか、選挙とか…大人の人達が考えてる事は、俺にはよく分からない。だけど、分かってるのは…俺達が、勝ち続けなきゃいけないって事。)

円堂と鬼道が話す様子を見ていた歌音が、真剣な表情で握り拳をつくる天馬を見つけた。

緊張しているのではないかと思って、近付いた時。

天馬(…それと、俺達はみんな、サッカーが大好きだって事なんだ!)

顔を上げた天馬が、かすかな笑みを浮かべる。

歌音(…松風天馬、か…本当に、日本一になりそうね。)

強いという根拠は無いのに、なぜかそんな予感がした。





橘「OK?青卯未港セイウミナト!」
未港「違和感がすごいんだけど。」
橘「分かるよ、だけど怪しまれちゃうから慣れるようにしてね!」

2人は河川敷を歩いていた。

天界から降りてきて、まずはクローチェに日本人の名前をつけなくてはいけないと橘が言い、そして決まったのがこの名前。

橘「あたしは橘美咲!絶対にアルモニって言わないで、ごまかすの大変だか(未港「っ!」

?「?何を誤魔化すんだ?」

バッと後ろを振り返る橘。その動きの早さは、悪魔に背後を取られない為に身に付けた動きだ。

そして、その人物に橘は目を見開く。

橘「天馬君…に、円堂監督!?」

天馬「美咲っ!」
円堂「おう、と、もしかして外国から帰国した友達ってこいつか?」

ビニール袋を提げた円堂と、練習をしていたらしい天馬。

未港は外国から帰国した友達、という設定をあらかじめ聞いていた為、頷いて挨拶をした。

未港「初めまして。私は…青卯未港、中1。」
天馬「俺っ、松風天馬!同い年だね!」

同い年という共通点に笑顔を見せる天馬。差し出された手を、なれなれしいと内心思いつつも握ろうとした時。

円堂「可愛い髪してんなぁ、まるで白ウs(未港「…!」
橘「Σ!!」

ピク、と眉が上がり動きが止まる未港。とっさに橘が円堂の口をふさぎ、ひきつった笑顔で誤魔化す。

橘(円堂監督、白ウサギは禁句です!あとアルビノもダメですから!!)ヒソッ
円堂(そうなのか…っていうかアルビノって何だ?)ヒソッ

天馬「未港さん…?」
橘「そっ、そう言えば2人はこれからどこ行くの!?」

未港は天馬の手を思い切り握った。その様子から怒っているのかと推測した天馬は、戸惑い疑問符を浮かべる。

円堂「え、ああ、これから俺の家に行くんだ。良かったら2人も行くか?」
天馬「円堂監督、奥さんいたらしいんですよ!」
橘「へ〜っ!」

ビックリするよ、と橘は心の中で呟く。2人は雷門イレブンや関係者については調べていたため、その事は既に知っていたのだ。

橘「…行ってみようか、未港!」
未港(アルモニの事だから、これからどこに行くか考えてなかったと思うんだけど。)

内心そう言いながら、未港は頷いた。



「お帰り、円堂君。」

4人を出迎えたのは、かつて円堂が中学生の時、マネージャーをしていた夏未だった。

雷門中理事長を務めていた雷門総一郎の娘、そう…

橘(これがいわゆる玉の輿って奴…?)

家も、稀にみる大きさ。勿論、鬼道邸や神童邸とは比べてはいけないが。

夏未「女の子2人は急だったから、ちゃんと用意できなかったけど…」
未港「お気遣いなくー。」
橘「あたし達、別に動いた訳じゃないので!」

そう会話しながら、夏未に案内されて夕食の席へ。

皿に盛りつけられた数々の豪華な食品。天馬が感嘆の声をあげて、目を輝かせる。

さらに夏未は、ガラス製の大皿に真っ白なおにぎりを山積みにしてテーブルの上に置いた。

夏未「お客さんがたくさん来るから、頑張っちゃったわ。」
円堂「いっぱい食えよ!」

席に着いた天馬達3人は、円堂の言葉を合図にして手を合わせる。

天馬・橘「いただきまーすっ!」

肉やら野菜やらを串刺しにした料理と言うよりバーベキューの様なものを頬張る円堂に次いで、天馬は海老フライをとる。

どれからたべようかな、と迷っていた橘は、海老フライを食べた天馬の静けさに違和感を感じて、隣を振り向いた。

天馬「・・・・・・!!!」
夏未「どう?おいしい?」

青ざめた顔、浮かぶ冷や汗。

橘(…え?もしかしてこれって毒物?)
未港(…味覚が働かないようにして食べるか。)

円堂が、テーブルの下で天馬の足を蹴った。その笑顔から、円堂の頑張りを感じ取った天馬達は。

天馬「お…おいしいですっ!!」
未港「サラダ良い感じだと思う。」
夏未「本当?たくさん食べなさいね?」

橘はローストビーフを1枚食べてみる。

橘(1番安全だと思ったのに…どうしてこんな味になっちゃうんだろ?)
夏未「私、今日は自分でソース作ってみたんだけど…」

味覚音痴なんだ、この人。橘は心で泣いて、味覚が働かないように調節した。

橘(ね、監督に後でアイス奢ってもらお?)ヒソッ

橘のささやきに、天馬は頷いた。

* 続く! *
書いてみたかった、夏未さんの爆弾料理。きっと円堂監督は、どんな消費期限切れの食品を食べても大丈夫だと思う。