二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*前作参照10000超え企画 ( No.659 )
日時: 2012/08/23 23:17
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

第71話 化身と本気、発動!

やっぱり、化身の突破力ってすごいんだなぁ……何か、化身が発動してるだけでチームの士気が上がってる気がする。

音速のバリウスがボールを持って、シュート体勢になった。緊張する天馬を見て、やっぱり怖くて目をつむる。

歌音「何目閉じてるのよ。」
橘「だっ、だって緊張が伝わってきちゃうんだもん……」
葵「うん、天馬ガチガチ…。」

ねーっ、葵ちゃんもそう思うでしょ!?

歌ちゃんもそれは分かるけど、と溜息に近い様で溜息じゃ無い息を吐く。

シュートが放たれた。

後ろ向きになってるみたいで、天馬の額には汗が浮かんでる。……ソフィアのマネして喝入れてみようかな、って思った時。

剣城「しっかりしろ、松風!」

あ、剣城君。

剣城「守るんじゃなかったのか! お前の好きなサッカーをっ!!!」
天馬「! 剣城…」

その一言で、天馬は気付いたみたい。ついでにあたしの言葉、思い出してくれてるかな??

これであのオーラが輪郭を結んでくれること間違いなしっ! ……多分。



「アルモニっ!!」


橘「!?」


……えっ?

空を見上げると、いたのは紛れもなく、見間違える訳もなくっ……!


橘(天使っ……!!?)
歌音「? どうかし……橘さん!?」
茜「美咲ちゃん?」


そうだっ、今日がいつもと違うって思ったのは……ソフィアと何も話さなかったから!

悪魔がノーマークだって確証は何もないのに、あたしに何も言わないはずがないのに……っ!!

……あれは、未来を予告でもしてた?

橘「っ、オラージュ!!」

スタジアムを出ると、あたしを待ってたみたい。同じA級天使のオラージュ、その表情は……焦ってる。

オラージュ「アルモニ、天界に(橘「天界に何があったの!? ソフィアはっ……」
オラージュ「ソフィアが現在交戦中だ。」

……え? ソフィアは1人で戦わないよね? でも今の言葉は1人で戦ってるって事だよね?

オラージュ「詳しい事は向かいながら言うから……打撃力のあるアルモニならどうにかできるかもしれないんだ。」
橘「??? あっ、待って今試合……」

良い所だったんだけどなぁ、って言うとオラージュから驚きの言葉が。

オラージュ「……化身を持ってきたから大丈夫だと思う。」
橘「持ってきたって何!?」
オラージュ「……本当常識不足。」
橘「……どうせあたしは頭の悪いA級天使長ですよーだぁ……」

あうー、引きずらないでオラージュー……って待って人間空飛んじゃダメだよ! 早く聖力解放して自力で飛ばないと!

ちなみに天使体になると、人間の目に映らないように出来るんだよっ♪

という事であたしは、飛びながら監督に電話する羽目になったのでした。“家に帰るのであとはよろしく☆”って。

オラージュ「……人間界でも、目上にタメ口が普通なのか?」
アルモニ「ううん、あたし位だよ! オラージュも常識不足だなぁっ♪」

呑気に話してるのは良いけど、天界ってどうなってるんだろ?←




『大丈夫、何とかなるよ天馬っ!』

深呼吸してたら、美咲にそう言われた。

『天馬はいっぱい持ってるんだから……守りたいものも、一緒に守ってくれる仲間も。』


剣城「守るんじゃなかったのか、お前の好きなサッカーをっ!!!」


『その想いがあれば、みんなぜーんぶっ、応えてくれるよっ!!』


肩の荷が、スッと下りた気がした。

剣城の真っすぐな目と、美咲の明るい言葉と、チーム皆の想い……月乃さんの強さの中に隠された想いも。

みんな、みんな、俺を信じてくれてる。

仲間が、信じてくれてるんだ……俺は応えたいっ!!

天馬「サッカーは、俺達が守るんだッ!!!」

絶対に、負けられないんだっ!!



——その時、頭の中に聞こえた言葉と、湧き上がってくる力に俺は少し戸惑う。


「合格。——それだけの決意があれば、ソフィアも安心できる。」


天馬「?!」

その意味は正直、良く分からなかったけど……。


湧き上がって来た力はそのまま形を結んで、俺が思いっきり叫びながら立ち向かうと、シュートは俺の手に収まってた。


ついに、俺は化身を出したんだ!!





戦いの場の周辺には誰もいない。きっと、避難させられたんだ……その意味はよく分かった。

オラージュの説明と、その状態を一目見ただけで。

アルモニ「ソフィア……?」
ソフィア「……アルモニ、」

何で、こんなに————あの声と、一緒なの?苦しそうな声で、あたしを呼んだあの声と……。

ソフィアの目の前に立つ悪魔の余裕そうな表情に、ブチンって切れた。切れたよ、あたしブチ切れた。

オラージュ「アルモニ、あの周りには見えない壁がある。僕にはどうしようも……」
アルモニ「分かった、おかげで歩いて行ってぶつかるって悲劇を避けられたよ。」
オラージュ「……」

落ち着けっ、て言うもう1人のあたしと、キレてどうしようもならないあたしの2人がいる。

体は当然キレてどうしようもならない方に合わせて動く。だって心の中でそっちが有利なんだもん。

むかつく高い声が耳に聞こえたら、もっともっと有利になるよ。

悪魔「キキッ、そんなに怒ってどうした?」
オラージュ「アルモニ!」

この壁打ち砕いたら、とりあえず一発殴ってやろう……って暴走し過ぎ、ああもうっ!

オラージュを振り返ると、少し離れた武器庫から何かを投げ渡された。……何、この槍?

アルモニ「……ありがとっ、オラージュ! 後はあたし1人で大丈夫!」

ソフィア「あの子の事、なめてるでしょう……?」
悪魔「ククッ、お前よりはずっと弱いと確信してるよ。でもそのお前もいい加減終わりだっ。立ち上がる事も出来ないだろっ?」
ソフィア「……なめてたら、痛い目見るわ。」

あたしの心の中に、もう落ち着けと叫ぶアルモニはいない。久し振りに、本格戦闘モードだよ。



槍はあたしの想いに応えて、桜の香りを放つ。

カキインッ、て武器同士がぶつかった音は、きっと天界中に届いたね。

悪魔「…カカッ、何で障壁を…! しかもその武器……!!!!」

ビックリする悪魔さんに、教えてあげよう?

アルモニ「硝子を操る魔術師さん、劇場がうらやましいなら……





あたしに、倒されてくれれば良いよ?」



天使は、正々堂々が好きなんだって事。



**

特別警戒悪魔録

[バリスト/硝子を繰る悪魔]
障壁を造ったり、壊したりする事がいとも簡単に出来る一方で、彼が造り上げた障壁や武器の破壊は難しい。
何かを話す直前に、高いトーンの笑い声を発する。
透明で目に映す事が困難な障壁や武器から“硝子ガラスの魔術師”と呼ばれる。

[フラム/地獄炎の悪魔]
一際聖力を削る威力のある炎を生み出す、炎を繰る悪魔としては史上最強だったと云われる悪魔。
以前アルモニとクローチェにより、聖霊化に成功。


[薄桃色の槍]
アルモニの想いに応えた。この武器に隠された秘密は……?