二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 狐の婿入り?【参照140超感謝!!】 ( No.27 )
- 日時: 2011/12/11 14:23
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
玖話 「夕餉の時刻」
千鶴が起きたのは、夕刻頃だった。
隣に狐凛は居なかった。
一「雪村、もう夕餉の時刻だが・・・。」
千「!!」
一が千鶴を起こしに来たのだった。
千鶴は起きた瞬間、顔色が悪くなった。
一「まだ調子が悪いか?ならば俺が夕餉をこの部屋まで持ってこよう」
千「いえ、それは良いんですけど・・・」
千鶴は溜息をついた。
今日の夕餉の当番は千鶴だったからだ。
だが、布団に寝込んでいた千鶴は夕餉を用意出来ず、変わりに総司が夕餉を担当した。
千鶴と総司の料理の腕前の差は月とすっぽんほどあり、比べ物にならない。
おかげで今日の夕餉は最悪だったと、一から聞いた。
千「でも、なんで沖田さんが夕餉の当番に・・・?」
一「総司の希望だ。」
はぁ、と溜息をつくと、一は立ち上がった。
一「夕餉を食べるのであらば、いつもの部屋まで来い・・・」
千「はい、今行きますっ」
千鶴は急いで起き上がり、布団の片付けを置いておき、一を追った。
相変わらず皆の集っている部屋は騒がしかった。
一が襖を開けると、平助と新八が鯖を取り合っていた。
その時、つるっと2人の箸が滑り、鯖が飛んだ。
そして・・・・
ぺちっ
千鶴の顔に当たった。
途端に皆が平助と新八の事を睨んだ。
一「大丈夫か、雪村・・・」
一は床に落ちてしまった鯖を拾った。
左之助は晒で千鶴の顔を拭いてやった。
左「ったく・・・平助、新八、いい加減にしろよ。」
平「新八っつぁんが俺の魚取ろーとすっからよ・・・」
新「俺のせいかよ!?」
土「お前のせいだ。」
新「まじかよ!」
千「あ、あの、気にしないで下さい。大丈夫ですから・・・」
千鶴は皆を宥めるようにすると、自分の夕餉の前に座った。
今夜は、白米、鯖、味噌汁、ほうれん草のお浸しだ。
相変わらず味付けが濃いらしく、皆別の取り皿に醤油等をきっていた。
千「・・・しょっぱそうですね」
左「だろぉ?ほら総司、千鶴だって言ってるじゃねぇか。」
総「いいじゃないですか、左之さん。僕の好みなんですよ。」
左「ったくよぉ」
あはは・・・と笑いながら、千鶴はお浸しを口に含めた。
ある程度醤油をきったので、あまりしょっぱくはなかったが、かなり濃い味付けだったのが分かる。
千「すみません、沖田さん。ご迷惑をお掛けしました」
千鶴は色んな意味で総司に謝った。
【続く・・・