二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

薄桜鬼 狐の婿入り? ( No.5 )
日時: 2011/09/05 18:40
名前: 薄☆桜鬼 (ID: O72/xQMk)

弐話 「その少女、狐!」


千「起きてください!土方さん達がお待ちですよ!」

千鶴は土方に頼まれ、千鶴の布団に横たわっている少女に声をかけた。

?「〜〜・・・ウルサイ・・・」

その少女はまだ夢の中なのか、聞き取れない言葉を言っている。
片言色々喋るが、すべて口の中でこもって聞こえない。
千鶴が次の言葉をかけようとしたその瞬間、少女がすごい勢いで起き上がった。

?「母君!飯・・・っておわぁぁあああぁぁ!!??」
千「お・・・おはようございます!ちょっと、此方に来て頂けますか?」
?「・・・・?」

千鶴はその少女を手招いて、新選組幹部が揃っていると思われる部屋へと向かった。
ちょうど千鶴の向かっている前方の部屋から、賑やかな声が聞こえてきた。
左之や新八、平助など、また口争いをしているに違いない。
千鶴はその部屋に着くと、そっと障子を開けた。

千「お待たせしました・・・。」
土「おう、入れ。」

上座には、笑っている近藤や山南。
その隣には、顔をしかめている土方が座っていた。
近藤さんの目の前には総司、土方の横には一、壁側には左之、新八、平助。
珍しく、部屋の隅に烝も座っていた。

平「で、そいつを連れてきたのかー?」
千「う・・・うん。・・・どうぞ」

千鶴は少女を先に入れると、おずおず自分も中に入り、烝の隣に座った。
しばらくの沈黙の後、土方が口を開いた。

土「お前、名を何と言う?」
?「俺のこと言ってんの?」
土「お前しかいねぇだろーが」
?「・・・俺は【妖火狐凛】って名前だ」
平「へーっ。こった名前してんなぁー」
左「ああ。まさに女って感じの名前だな」
狐「・・・俺は男だけど」
左・平・新・千「えぇぇええええええええぇぇ!!???」

まさか、その少女らしき人が男だとは、誰も想像出来なかったのだろう。
その少zy・・・いや、少年は、さらに口を開いて言った。

狐「腹が減った。煎餅くれ」
土「あのなぁ・・・。なんで急に新選組に現れた奴なんかに・・・」
総「いいじゃないですか、土方さん♪ついでに僕に金平糖お願いします。」
土「黙っとけ、総司!!」
狐「此処は新選組の屯所か。良いではないか、天から授かってる土地なんだから。」
土「あ゛ぁ!?どういうことだ!ふざけんな!」

土方は怒鳴るが、狐凛は至って冷静に言葉を続ける。
それを一は冷淡に、千鶴は身を縮めて聞いていた。

狐「俺は天狐(てんこ)の銀狐(ぎんこ)なんだぞ?命令に逆らうとは良い度胸だな人間」
千「て・・・天狐!?銀狐!??」

天狐や銀狐は、妖狐の種類の壱つだ。
天狐とは、阡歳を超え強力な神通力を持ち、神格化した狐で肆本の尾を持っていると言う。
そして、千里眼をも持ち様々な出来事を見透かす力を持っているらしい。
銀狐は、銀色の毛色を持ち、月をシンボルとしている狐だ。

狐「さ、分かったろう。早く煎餅を用意しろ。」


  【続く・・・