二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 薄桜鬼 狐の婿入り? ( No.8 )
- 日時: 2011/09/09 19:12
- 名前: 薄☆桜鬼 (ID: O72/xQMk)
肆話 「千鶴、隊服を!」
狐凛はその日、千鶴にくっついて離れなかった。
掃除、飯用意、洗濯・・・。
一時も千鶴から離れず、ずっと千鶴の様子を見ていた。
そして千鶴が一息つくと、同じように一息ついた。
狐「・・・お前、雑用係でもやってるのか?」
千「ざ・・・雑用なんかじゃありません!」
狐「そうか?」
千「これも列記としたお仕事なんです!元は隊士の方や幹部の皆さんがやって居られたんです!!」
千鶴はそう言い残すと、ずんずんと次の仕事へと向かった。
千鶴は、狐凛の口調が風間千景に似ていると思った。
そう思うと、頭の中がぐちゃぐちゃになってきたので、考えるのをやめて、また洗濯を始めた。
その時・・・。
?「おい、千鶴!!」
千鶴は後ろから声を掛けられた。
あまりにも大きな声だったので、千鶴は驚いて桶をひっくり返してしまった。
平「あ・・・悪ぃ。」
千「大丈夫だよ、平助君!」
千鶴は気にしない、というように明るく振舞った。
千「ところで、私に何か用?」
平「いや・・・あのさ、これから巡察に出るのに隊服が無くて・・・」
千「そうなの?大変!今乾かしてるのがあったから、持って来るね!」
そうして千鶴は、物干しのある処にまで駆けていった。
良く乾いて、お日様の匂いがする隊服を壱着取り、また戻ろうとした時・・・。
平助の声が聞こえた。
平「あ゛あぁぁぁああああああ!!!!????」
千「!?」
千鶴はすぐに駆けて戻ったが、事態は飲み込めてなかった。
平助が真っ青なのと、狐凛が呆然としているだけだった。
千「平助君?どうしたの?」
千鶴が問うと、平助は千鶴の使っていた桶の方に手を伸ばした。
千鶴は平助の指差す方向を見てみると・・・。
なるほど、真っ青になるわけだ。
千鶴も真っ青になった。
千「やだ・・!!隊服が・・・!!!」
千鶴は急いで駆け寄るが、もう起きてしまったことはどうにもならなかった。
隊服が破れているのだ。
多分、平助が声を掛けた時に、どこかに引っ掛けてしまったのだろう。
水の流れる音が大きかったせいか、隊服のことなど気にしてなかった。
平「悪ぃ千鶴・・・。ほんとにごめん!!」
千「ううん・・・!平助君は悪くないの・・・。私のせいで・・・!」
弐人は呆然としたまま、破れてしまった隊服を見つめていた・・・。
【続く・・・