二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

(第四話)アメリカにて ( No.25 )
日時: 2011/09/13 18:54
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: /HyWNmZ0)


 所変わってアメリカにて。

「——懐かしいなあ、」

 変わらぬ景色に目を細め、亜美はゆっくりと笑んだ。一之瀬は辺りを見回し、「少し早かったみたいだね」と笑う。土門は土門で亜美が着いてきたことに意外そうにしていたものの、一之瀬が全てを話したことで思い返したようだ。既に馴染んでいる様子を見せている。
 明るく談笑していると、其処に二人の少年が現れた。どちらもアメリカ系の顔立ちをしていることを見れば、現地の人間であることはすぐに分かる。少年こと、マーク・クルーガーとディラン・キースは亜美の存在にはまだ気が付いてないようだ。

「久しぶりだな、カズヤ!」

 緩く笑うマークに、一之瀬も笑みを返した。次いで、ディランが亜美の存在に漸く気づく。

「——アミ、?」
「っ……」

 さっ、と一之瀬の後ろに隠れてしまった亜美を見ながら、ディランはやっぱりとでも言うかのように指差した。マークが次いでその存在に気づき、眉を寄せる。その表情は怒っているようにも、呆れているようにも——嬉しそうにも見える。
 マークはつかつかと一之瀬の後ろに引っ込んでしまっている亜美の手を引っ張り、咎めるような口調で言う。

「アミ、……今まで、何処に居たんだ」

 亜美は何も言わず、キュッと唇を結んでいるだけだ。
 聞かれたくない事情があるのか、違うのか。ざわざわと人混みの中で二人の場所だけが静まり返っているようで。二人の異様な雰囲気に気が付いた一之瀬が、苦笑を浮かべた。

「……ディラン、土門、行こうか」

 二人っきりにするのは良くないと分かっていて——でも、けじめを付けなければ、と。一之瀬が二人を引っ張る。マークと亜美をちらちらと不安げに見ながらもディランは頷き、土門も何も言わずにそれに着いて行く。





「——アミ、答えてくれ。あの日、……あの日、どうしてお前は消えたんだ」

 "行方不明"扱いになっている亜美に、マークが穏やかな口調で問いかける。しかし、亜美は未だ何も言わず、何かを言う雰囲気は無い。まるで思い出したくない、言わないでと言っているようにも見える雰囲気にマークは溜息を吐いた。
 これ以上、聞いても無駄だと察したのだろう。

「もう俺は何も言わない。アミが言ってくれるまでは、な」
「……」
「そうだ、一つ頼みごとがあるんだ」
「——何?」
「アメリカ代表ユニコーンの……マネージャーになってくれないか」


(過去と謎)







にゃああああry 一之瀬とマークが格好良すぎて^q^←