二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

(第五話)男装 ( No.28 )
日時: 2011/09/14 17:37
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: /HyWNmZ0)

「——よしっ!」

 一人の少年が、にんまりと笑う。金色の髪はうなじを隠すぐらいの伸びており、前髪にはピンが3、4本ほど無造作に留められている。首から下げられたネックレスは青く、日の光にキラリと反射し、その瞳は何処までも深い赤色をしていた。容姿的に言えば、可愛らしい男の子である。女の子にもみえなくはない、が。
 少年は少年では、無い。

「準備は出来たかい? ——って、何か凄い馴染んでるね……」
「カズヤッ、カズヤッ! ボク、完璧っしょ?」

 少年は、亜美である。本人の希望により、マークの弟としてアメリカ代表ユニコーンのマネージャーをやることになったのだ。
 金髪は勿論ウィッグだし、ネックレスは気に入ったものを買って勝手に「彼女から貰った」設定にしたし、目は元々だし、と。予想外に男装の似合う亜美に、一之瀬は苦笑を浮かべた。男の子、というよりは男の娘かもしれない。

「……予想外だ、まさかここまで似合うとは」
「ミーの予想通りだったね、マーク!」

 ふふん、と得意げに笑うディランにマークはやや苦笑気味にぽつりと呟いた。次いで、土門は驚いたような表情を浮かべる。

「マジでか」
「マジマジ、ボクだよボク」
「、名前はどうするの?」

 亜美はんー、と考え、やや視線を落としながらもすぐにぽつりと口を開いた。

「本当は使いたくないけど、——アレン。アレン・クルーガー」

 その言葉に事情を知る一之瀬と土門は眉を寄せるも、何も言わずに頷いた。じゃあ行こうか、という一之瀬の言葉に亜美が頷く。目の前に広がるのは世界への壁。

「——新たな道を進んでくるよ、お姉ちゃん」

 柔らかく笑み、亜美——否、アレンは歩き出す。世界へと羽ばたくために——……


(一時の間はさよなら、"私")







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亜美こと、アレンは暫しの間出ません(ぁ