二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- (第六話)対戦相手 ( No.31 )
- 日時: 2011/09/15 17:54
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: /HyWNmZ0)
「——びっぐうぇいぶす?」
そうそう、とティアラが笑む。彩音はこてん、と首を傾げた。聞いたこと、無いなあ。っていうかサッカーやらないし。そんなことを思いながらも、ラティアへと視線を向ける。
「オーストラリア代表のチームよ。その強さは計り知れないわ。まあ、でも——私達の敵とは思えないわね」
そっかあ、と苦笑を浮かべる彩音にラティアもくすりと笑った。亜美が居なくて少々不機嫌だったのに、今は慣れるしかないらしい。流石大人だなあ、なんてぼんやりと考えていると焦ったような円堂が目に入る。
どうしたのか彩音が問う前に円堂は視線を落としながら溜息を吐いた。
「、この合宿所から出るな……?」
「そーなんだよ。何か、監督に言われてさ……!」
憤りを感じながらも相手は監督。日本代表から外されるかもしれない、ということもあり円堂は何も言えない状況にあるらしい。
彩音は苦笑にも似た笑みを浮かべ、次いで溜息を吐いた。
「監督には監督なりの考えがあるんだよ。ね、ティアラちゃん」
「そうだと思う!」
うんうんと頷くティアラに、ラティアはため息交じりに呟いた。
「……荒れなきゃいいけど、」
合宿所から出てはいけない、ということは練習禁止と言われたにも等しい。緩く頭を振って、ラティアは再度溜息を吐いた。
相変わらず円堂も豪炎寺も鬼道も、浮かない顔をしている。それはそうだよね、なんて彩音が考えていると不意に呟きが聞こえた。
「部屋でも練習できるだろうけどね」
個室がある、という言葉を聞いた瞬間に聞こえた呟きだった。誰が言ったのかはいまいち分からなかったが、そうだねなんて彩音はぼんやりと考えた。
練習、かあ。亜美ちゃんなら、どんなこと言うんだろう。
不意に頭の中に現れたその言葉に、彩音は苦笑した。やっぱり、亜美とずっと居たからそんなことを考えてしまうのかもしれない。
「考えてても仕方ない! あ、そうだ、あたし、正式なマネージャーになるからね!」
『へ!?』
(おーすとらりあ、ってどこだっけ? / 知らないー)