二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 青の祓魔師〜赤き炎の少女〜 ( No.29 )
日時: 2011/09/15 19:09
名前: ★HITOMI★ (ID: H6c/o5GF)

第八話

「ウッシッシッシッシッ。」
気持ち悪い。なんだよ、こいつは。だが、次の瞬間、ゴキブリが発した言葉に私は凍りついた。
「ウッシッシッ。おお、これはこれは王女様。お目にかかれて光栄です。お父上から迎えに行くようにと申しつかりました。おお、王子までいらっしゃる!ウッシッシッ。」
ぼうぜんとしていた。こいつはあいつを知っている。しかも私を迎えに来ただと?
「稲荷神に恐れ恐み白す、為す所の願いとして成就せずいうことなし!」
神木 出雲が使い魔を呼び出したのだ。みんなそれぞれ戦いの体勢に入っている。
『カオル!』
レイヤが私に呼びかけたが足が動かなかった。なぜだ?なぜ私を迎えに来た?レイヤは地面に降りて姿を変え、ゴキブリに飛びかかった。だが、意外にも動きはすばやくやすやすとかわされてしまう。続いて奥村 燐が降魔剣を取り出し、全身が青い炎で包まれた。そして、レイヤと同じくゴキブリに飛びかかるがまたもよけられてしまう。どうしよう。今、力を使うわけにはいかない。そしたら、祓魔師はおろか、死刑にされるかもしれない。今こんなところで死ぬわけにはいかない。だけど・・・・。いったい私はどうすればいい!!!私の迷いを打ち破ったのはそのときだった。『ドッカーン』と、今までで一番大きな爆発音がしたかと思うと、そこにいた私以外の全員が後方にふっとばされていた。
「レイヤーーーーーー!!」
私は声がかれそうなくらい大きな悲鳴をあげると、レイヤにかけよった。良かった。気を失っているだけだ。周りを見ると、祓魔塾生も全員無事だった。だが、みんな立ち上がり、けがをしてもなお、戦おうとする。私は心の底からふつふつと、煮えたぎるような怒りを感じた。体が熱い。まるで猛火の中に放り込まれたようだ。だが、激しい怒りで今はそんなの気にならない。私はマントを脱ぎ捨てた。
「これ以上・・・・。これ以上関係のない奴らに手を出すなああああ!!」
視界が一気に真っ赤に染まった。私の赤い炎だ。あまりの熱気にポニーテイルにしていたゴムがちりぢりになって燃えた。赤い炎が一瞬おさまった。夜空に映える輝く銀髪、頭の上のほうに生えた猫のような耳。ペルシャ猫のようにふっさりとした銀色のしっぽ。そして、炎のように燃えるような赤い瞳。そう、これが私の悪魔の姿。