二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 参照1000突破!! ( No.168 )
日時: 2012/07/01 17:15
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

第46話 「空気が読めない人」

試合は誰もが目を疑った。

ダイヤモンドダストとは2対2の互角の勝負。
ガゼルさんは悔しさのあまり横に靡いている髪を手でかきむしる。

沙「はげるぞーボソ」

瞳「やめなさい。」

脱毛してしまうぞガゼル。

朱「あたしちょっと散歩〜♪」

何か企んでいそうな顔だったが止めるのはよした。
というかあいつが鼻歌を歌っているときは大抵嫌なことしか起きない。

本当にやめてほしいものだ。

?「随分苦戦しているみたいだね。」

?「情けねぇな!自分から勝負しといてよ。」

ガ「黙れ…」

緑色の瞳と金色に光る瞳が暗闇で光る。
うっすらと差し込んだ光で見えたもの、それはオレンジ色のジャケットを着ている少年と、その少年とはうって変わった服装である半そでを着ている少年。

ヒ「引き分けは、敗北と同じだよ。」

ガ「っ…分かっている。」

ヒ「どうかな…クス」

まるで人を遊ぶかのように目を細め、静かに笑う彼はとても不気味に見える。

朱「(ここで出て行ったらただの空気が読めない女だよなぁ;)」

物陰から様子を窺う少女。

晴「…そこにいる奴、とっくにばれてんだからでてきたらどうだ。」

どうやら様子を窺うまでもなくばれていたようだ。
少し考えてから彼女は…

考えることをやめた。

朱「いやー悪いね。盗み聞きはあたしの専門じゃないんだけど。」

これ、沙羅に聞こえてたら殺されてるね;

ヒ「何か用かな?」

表情はさっきと変わらず、しかし十分の警戒を放っている。
さっすがージェネシスキャプテン。場数が違うね?

朱「少し、言いたいことがあってさ。」

そう、もうあたしたちに時間がない。
多分そのことに気づいていたから沙羅もあたしが行くのを止めなかったのだろう。

ガ「…言いたいこととはなんだ。」

相変わらずクールなこと;

朱「あなたたちは何を目的にしてこんなことをやっているの?」

3人からの視線は勿論怖い。
なんかもう逃げ出したくなるくらいね。

朱「最終的にどうなってほしくてこんなことをやっているのかな。」

私は羨ましかった、吉良星次郎が。
こんなに沢山の人たちが自分の為にと思って尽くしてくれる。
そんな幸せな事がこれ以上にあると思う?

私は…そんな愛情がほしかった。

朱「よく考えることだね、そしてその答えはきっともう自分で気づいているんじゃない?」

格好いい台詞を残して再びベンチへと戻る。

沙「…自分でさっきの言葉は格好いいとでも思っているのか?」

ほら、ここに盗み聞きの専門がいるよ。

朱「まぁ伝わってくれたらいいな、程度だから。皆の傷が、少しでも浅くなればと思ってね…」


            まぁ所詮は…アニメの世界、話の軸を曲げることなんてできないんだけどね?