二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 第2章更新中!! ( No.283 )
日時: 2012/08/27 22:13
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

第14話「揺れる心」


辺りが暗くなり星が輝きだした中、グラウンドに響く不釣り合いなボールの音。

緑「ハァ…ハァ…」

皆力をつけている…このままじゃ…

緑「クッ…ダッ!!」

赤いコーンをDFに見立てひたすらドリブルで避けてはシュート。
ガンッ
惜しくもボールはゴールポストに当たり土の上へと転がる。

緑「くそっ…もう一回だ!!」

一人、不安と恐れを抱いて潰れそうになる己を磨く者がいる…
決して今回イナズマジャパンメンバーに選ばれたからといってこのままこのチームにいれるわけではないのだ。


円「新必殺技?」

鬼「皆も世界のレベルを実感しただろう?風丸、お前が代表紅白戦で綱海を抜こうとした時の事を覚えているか?」

これから日本が世界に立ち向かうに当たって各自の能力が必要となってくる。
勿論日々の練習で確実に上がっていると言えるが勝利への鍵となる『必殺技』は別物だ。

円「…あ、あれか!!一瞬風がブワッとなって…」

円堂守はお得意の擬音語で説明する。

風「ハッ……」

綱海を抜かすと共に偶然起きた出来事。
その偶然が『必殺技』として芽を出すのは少なくない。

綱「覚えてるぜ、すげー風だった。」

鬼「その風にさらなる磨きをかければ強力な必殺技になるはずだ。」

足の速さが特徴の風丸一郎太はそれを生かしたプレーをする。

鬼「久遠監督に言って自主練習をできるようにする。」

風「分かった。その必殺技を完成させればいいんだな。」

決意を固めた瞳で頷く。この時の彼はとても頼もしい。

鬼「あぁ、吹雪と土方は連携技を習得してもらう。」
それは攻撃の幅を広げる戦略。
安定したボディーバランスと力を持った土方。
そしてスピードを持つ吹雪が合わせれば…イナズマジャパンの司令塔としての考えだ。

緑「…………」
けれど、彼も気付かなかった。






【一人の選手が今にも折れることを…けど、それは少し先の事。】