二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 第2章更新中!! ( No.284 )
日時: 2012/08/28 19:16
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

第15話「不審、それは確信への道」

立「タイミングが合いませんね。」

眼「まぁ、そう簡単ではないでしょう。」

違う人間同士が息を合わせるのは強い信頼関係、そしてお互いを理解していないとできない事。
まだ会って間もない彼らに果たしてできるかどうか…

鬼「よし!!後の事は3人にまかせて俺達も練習に入るぞ。」

「「「はいっ!!」」」

元気よく選手達は掛け声と共にグラウンドへと入る。



春「あの〜練習中にごめんね。少しお兄ちゃんに話しときたくて…」

マネージャーであると共に俺の妹でもある音無春奈が呼びかける。
彼女は早々練習中の選手に声をかけるなどといった集中を乱すようなことはしない。
それが一番練習に害を及ぼすと理解しているからだ。

鬼「どうした。」

その彼女が練習中に声をかけたのだ。
何かよからぬ事が起きたのであろう。

春「朱音さんと沙羅さんの事なんだけど…実は——…」

              ☆

鬼「分かった。俺からも聞いておく。」

マネージャー同士の抗争…程大袈裟ではないもののこれからこのチームを支えるにあたってこれは見逃せない事だ。少々信じ難いことだったが。

いつも飄々としている三枝が彼女に向けて放った質問。
【何隠してんだ?】
確かに前から夕闇は謎に包まれていた。
けれど俺は…彼女の事を見た時どこか懐かしい雰囲気があったのをよく覚えている。
初対面のはずなのに…
ここら辺もしっかりと確かめた方がいいのかもしれない。今後の為にも…




ガタッ

重さはどれ位あるのだろう…
全員分のドリンクを運び終わりこれから休憩となる。
すでにストレッチを始めている選手がおり空になっていく箱を少し放心状態のまま見つめていた。

鬼「夕闇、少しいいか?」

そういった鬼道の瞳には信頼と…疑いの色がうつっていた。


沙「何だ?なぜわざわざ人気のない所まで来る必要があるんだ。」

マネージャーの仕事に関する事ならばあの場でもいいはずだ。
それにまだ入ったばかりの私より秋や、春奈の方がいい。
場所が物語っているのはそのどれでもないということだ。

鬼「お前は何者だ。」

ゴーグルの奥に潜んでいる赤い瞳がこちらを見つめる。
これは…名前とか性別を言ったりしたら殺されるパターンか?

沙「…最初に自己紹介したけど。」

名前を忘れるとは随分礼儀知らずな人だな。
それでも鬼道家の者かー?すいません、ふざけてごめんなさい。

鬼「そうではない。お前はどこか…俺達とは違う場所にいる感覚がある。」

…生まれたところが別次元ですけどね。
違う場所…ねぇ。

沙「何が知りたい。はっきりしてくれないか?」

こいつは朱音じゃないからそう簡単に黙るわけもないんだなこれが。
待ってましたと言わんばかりに口元が怪しく歪みましたよ鬼道さん。
昔に戻ってますよー!!

鬼「【何隠している?】」

!?それ…その質問は。

鬼「聞き覚えがあるんじゃないか?」

沙「春奈ちゃんか…」

それは確かにあの時朱音が私に放った質問。
何を隠している?
そんなのありすぎて…どれを言えばいいか分からないな。

鬼「で?どうなんだ?」

上手い事避けられるのかな。
ていうか人いないな…円堂あたりがいれば何とかなるんだが。

沙「なぜ知りたい?」

…これ朱音にも言ったわ。

鬼「お前が仲間だからだ。仲間の事を知りたいと思うのは当然のことだろう?」

沙「仲間、ねぇ…なら私より選手を気に掛けな。司令塔さん♪」

鬼「?どういう…」

ピ————!!

沙「休憩時間終了だよ?残念でしたww」

いやもうまじ久遠監督感謝。

鬼「それは…隠している事があると受け取っていいのか?」

クス…

沙「君ならどっちを望む?」

スタスタスタ——…



鬼「食えない奴だ…」