二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 第2章更新中!! ( No.394 )
日時: 2012/11/10 13:13
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

【1+1=2=1】


未「いったー…」

咲「ほら。」

痛そうに頬を抑えているいも追うとに湿布を渡す。
自分も少しばかり腫れているのだが。

未「お嫁にいけないよー!!」

咲「いく宛すらないのによく言うよ。」

こんな【普通】がいつまでも続けばいいのにね。







「本当にどいつもこいつも使えないのね。」






いつも言われていた言葉。
なぜか今回に限って重くのしかかった。


おかしな……胸騒ぎがしたんだ。






未「どこ、行ったの?」

リビングで立ち尽くす2人の少女。

家のどこを見ても『何も』ない。
きっと塵一つさえも。

未「ねぇ……誰もいないよ?咲希姉……」

咲「……………。」

奥歯を噛みしめた。

捨てられたことなんてすぐに分かった。
辛くなんかない、寂しくもない。

ただ、妹がまだ『親』を必要としていて。
寂しがっている、辛そうにしているのをみて……

『親』への憎しみが心を支配しているんだ。







あれから数日、きっと人生の中で一番色鮮やかに残るであろう事が起こった。


咲「ふざけるな!!なんで私だけなんだよ!!」

「聞き分けなさい。『2人』一緒なんて無理に決まっているだろう。」

我儘な子供を窘めるように。
けれどその瞳に感情なんて映っていない。

咲「だからって……なんで未羅が施設に行くんだ!!」

怒りの根本はそこだ。
『親』がいなくなった今親戚の家で2人を引き取ろうという話にまとまった。

けれど『2人』ではない。

片方が親戚の家、もう片方が施設へと送られる。

咲「私が施設に行く!!だから未羅は……」

「もう書類もだしてしまった。諦めなさい。」

理由。
理由が聞きたかった。

咲「なんで、私なんですか……」

「君は……この家にふさわしい能力をもっているからだよ。」

所詮、大人はそんなものだ。
自分の家が世間にどう見られているかばかりに気を取られている。
『家族』なんて他人同士が集まっているも同然だ。




咲「未羅……」

そんな気持ちを置いて時間は止まることなく流れる。
別れの時なんてすぐに来てしまった。

未「どうして?」

目の前の少女からはたくさんの、大粒の涙が流れて頬を濡らしている。

未「言ったじゃない……『見捨てない』って。」

咲「!!違う、私だって……」

違う。
裏切るわけじゃないんだ。

未「いらなかったの?」

違う。

未「邪魔だったの?」

違う。

咲「違う。きいt「姉さんは……嘘つきだ!!」っ……」

ダッ

涙ながらに叫ばれた言葉。
どんな言葉よりも心に刺さった言葉。

きっと君はもう私の前には現れてくれないだろう。
きっと時間は止まることなく流れるだろう。
きっと時間がたてば君の顔さえも思い出せないだろう。

なら、私は捨てる。

『咲希』なんていう肩書なんていらない。

君を泣かせた『咲希』なんていらない。
君を苦しませた『咲希』なんていらない。
君をいつか忘れてしまう『咲希』なんていらない。


咲「『未羅』……『咲希』……『咲羅』?……馬鹿馬鹿しい。」

『咲く』?希望が咲くことなんてないくせに。

欠けた存在。捨てられた存在。



「そうだ、『沙羅』がいい。」









【希望なんて咲かない。欠けた存在で不完全、君に拒絶された。








けど、それでも汚れていたくない私は『咲』の代わりに『沙』を使うんだ。】


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今回は沙羅の細かい過去でした。
『オリキャラに100の質問』の88の問題で土下座するほど謝りたい人はやっぱりこういった別れ方をしちゃった妹の未羅に謝りたいんじゃないかなーみたいな妄想でした。(>>374

よくわからん番外編にお付き合いいただきありがとうございました。

作者は明日3級の二次試験に行ってまいりますww