二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 第2章更新中!! ( No.419 )
日時: 2012/12/25 15:52
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

番外編Ⅸ 「季節外れまくってますが」


秋「さぁ今日ははりきってやるわよ!!」

腕を捲りながら仁王立ちしている我らの勝利の女神こと木野秋。
彼女の目の前には大量の食材と装飾品が並んでいる。

春「普段のお仕事に加えてこれらもやらなくちゃいけないんですね……;」

あれ、ねぇ君達。
一体何のお話をされているのですか?

冬「忘れてますか?忙しかったですものね;カレンダーを見て下さい。」

クルッ

どうやら朱音も知らなかったようで同時に確認し、同時に呟いた。

沙/朱「あぁ、クリスマスか。ボソッ」

赤い服を着たおじさんが夜にかけずり回り、それに付き合わされてこき使われるトナカイ達。
(サンタはいるんだよ、きっと←)
また町では電力が無駄であろうと考えられるイルミネーションの下で公共の場だということを考えずいちゃつくカップル。

秋「乗り気じゃない人もいるけど……今年は私達で盛り上げるので無理にでもテンション上げていきましょう!!」

「おおー!!」と可愛らしい声が食堂に響いて一斉に動き出す。

朱「私はりょうr「朱音、お前は長所である体力を存分に使って選手達をサポートしてくれないか?」……はーい。」

今回ばかりはこいつにまかせられない。
折角のクリスマスだ。選手達には楽しんでもらわないと……。

それ以前に25日だが夏なんだけどさ。
こんなに季節の差なんてあったっけ?(勿論作者の都合さ。テヘペロッ☆)






その後は今までないほど目まぐるしい時間が通り過ぎていった。
何度か右回りに進む時計を憎んで捻り潰したいとも思ったのは心のうちにしまう。

春「お、終わった〜;」

沙「今思えばよくこんだけの量をやろうと思ったな。そしてよく終わったよ……」

秋ちゃんは満面の笑みで選手たちが食堂に降りてくるのを待っている。

先ほど練習が終わった選手たちは流した汗を洗いに風呂に入ったのだ。
まぁあんだけ練習した後にこんだけ食えれば満足だろう。

沙「チラッ……」

隙間なく並べられた料理を期待した目で見る者が一人。

沙「お前が全部食うなよ?;」

力づくでとめなければ歯止めが利かなくなる親友に無駄だと分かりながらも注意をする。

円「飯だ———!!!!」

上から何人もの足跡が聞こえたと思ったら円堂の声が宿泊所全体に響き一気に人が押し寄せた。
想像できるかもしれないが最初に入ってきたのは我らのキャプテン円堂守、綱海、土方、壁山などである。

この後の片付けもあると思うととても億劫なのだが選手達の顔に広がる笑顔を見れたのだから釣りがくるくらいかもしれない。





ガチャガチャ——…

で、なんで一人寂しくお皿を洗ってるんだっけ?
あぁそうだ、朱音は食いすぎて部屋に戻り春奈ちゃんは次の試合であたるチームの情報収集、冬花ちゃんは皆の洗濯物、秋ちゃんはグラウンドの整備だっけか。

朱音、お前だけだぞ。食って寝てるやつ。

こんなクリスマスを過ごしたのは初めてだ。

こんな大人数で騒ぐ。
自分だって食べたことのないようなご馳走を作る。
まぁ上げれば沢山あるわけだが、どれも初めて。

大人数で食べると楽しいんだなぁとか柄にもなく思ったっけww

けどきっとこれが最後。
ここに入る人達とこんな風に来年も過ごせると思わない。きっと来年のクリスマスが来る頃にはいないだろう。

それでも……


ガチャッ

風「お疲れ。俺も手伝うよww」

皿の量を見て苦笑いをしつつも手伝ってくれる風丸君。
朱音に見つかったら殺されるだろうなぁ……。

風「マネージャーには元気をもらうばっかりだからな。俺達も何かしないと、って思うんだ。ニカッ」

沙「……風丸が女子に好かれる理由が分かったよ。この天然タラシが。」

風「何が天然タラシだ!!」






それでも……
今過ごしている時間が大切だから一秒も忘れないように心に刻みつけている。
あの世界に戻って私の支えになってくれるように。