二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 第2章更新中!! ( No.483 )
- 日時: 2013/04/02 21:17
- 名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)
最終話 [HAPPY]
コンコンッ
小刻みであって少し控え目なノックの音がする。
沙「はいはい。」
扉を開けると黒い髪が見えた。
うん、まぁ予想通りという所かな。
未「夜遅くにごめんなさい。少しよろしいですか?」
まさに夢の通り。
よく見れば手には刃物が無い。これで安心だね←
沙「入る?丁度私も話があったんだ。」
未「沢山の迷惑を掛けたと思ってる。」
部屋には入らず扉の近くで呟かれた声。それには昔の面影があった。
未「私考えたんだよ?今までの事を清算出来る方法……。それで、それでやっと思いついたの!!姉さんも私も幸せになれる……そんな素敵な方法を。」
沙「…………。」
未「ずっとここにいればいい。」
ガシャンッ
棚に置いてあった花瓶が割れた。
するとどうだろうか、散らばった破片は10秒も経たない内に集まりあっという間に元の形にもどったではないか。
沙「これは……」
未「知らなかったでしょう?姉さんは滅多に失敗しないからね。」
触ってみれば形も、重さ、そして水あかまで元のものと変わらない。
未「アドリブなしの劇場、ていうところかな。台本にない事は全て修正されて何もなかったようになる。これが証拠だよ、これだけ大きな音をたてても誰も様子を見に来ない。確か隣は……豪炎寺君だっけ?彼なら些細な音も妙な事だと思ったら駆けつけるでしょ?」
そうだ、もしこの音が聞こえれば豪炎寺程の奴なら見に来る。
それにガラスが割れる音はこの夜の静寂に響いた。
秋、春奈ちゃんは駆けつけてもおかしくない。
未「私達がここにいれるのはあの神が台本を書き加えているから。どうやら姉さんは神のお気に入りみたいだから不利な事は加えられない、もし失敗してもすぐに修正される誰にも気づかれない。」
あぁここまで彼女を歪ませたのは誰だ?
紛れもなくこの私だ。
だから……
未「さいっこうでしょ!?私は帰ってやり直すの。時間を戻してもらって……小さい頃にみたいに笑いあってお母さん達と暮らすよ。だから心配はしないでね?もうこれで綺麗さっぱりおわr「話がある、と言ったはず。」………。」
どうやら未羅の話はこの提案だったらしい。
最高?どこかだ、私の提案とまるっきり逆だよ。
沙「なぁ帰ろう?」
未「……何言ってるの?」
当たり前だ。
きっと予想外中の予想外のはずだよねww
沙「帰ってさ、2人で暮らそう。」
目の前の未羅はハトが豆鉄砲を食らったような顔。
それに反して私の今の顔は笑顔だろうなぁ。
沙「時間は戻しては駄目。時間、っていうのはね?唯一全員に平等に分け与えられる、そして全員と共有できるもの。それを一人だけ戻しちゃ駄目。それに……やり直せないから人は歩けるんだよ。」
傷ついてボロボロになって、もう枯れて涙も出なくなって……それでも歩けるのは仲間がいるから。
沙「帰ってさ、未羅の引き取り先の人には私が話を付けるよ。そうしたらちょっと2人で住むには狭いけど私のアパートで暮らそう?」
未「やめて。」
沙「1DKだけど二人で布団しいて、朝が来たら少し遅めに起きた未羅が朝ご飯をねだるの。」
未「やめて。」
沙「そうしたら丁度トーストが焼けて二人で寝癖のついたままの頭で食べて……それを見て2人で笑うの。」
未「やめてよ!!今更何だっていうの!?貴方は私を捨てた、私は貴方に捨てらr「あぁそうかもな。」ならなんで……」
確かに未羅から見れば私は捨てたのだろう。
今も泣かせてるしね。逆の立場なら私だってそう思うし。
沙「そう、捨てたから……私はもう一回拾ってやり直したい。」
人は沢山失敗して何度も何度も泣いて、他人を傷つけて前に進む。
未「信用できない。」
沙「うん。」
未「また捨てるでしょ?」
沙「捨てない。」
未「すぐに飽きるくせに。」
沙「それはスポーツだけ。」
未「どうせ……どうせ……」
沙「心配でしょ?だから未羅が傍にいて監視してよww」
未「……………う、ん……」
END