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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 最終話更新中!! ( No.490 )
- 日時: 2013/04/02 21:17
- 名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)
最終話 [BAD]
電子音しかならなくなった携帯をベッドに放り投げ、自分の体も重力のおもむくままに任せた。
ドサッ
ベッドの軋む音が耳に入る。
すぐ近くの窓から見える三日月が私を嘲笑っているようで腹が立ってきた。
どこぞのファンタジーか。
沙「捨てた……」
そんな事を思ったことなんてなかった。
しいて言えば未羅を裏切った事だと思っている。けど、朱音達を捨てた?
捨てていない、捨てられるわけがない。
朱音と出合ったのは中学校の2年の春。決して長い付き合いとは言えない。
けれど短かい時間でも馬鹿を言いあえたし笑ったりもした。
そんな朱音を捨てた?
円堂達に限ってもそうだ。
確かに自分とは違う次元の住人であって、いつか別れの日が来るとわかっていても大切、ずっとそう感じている。
沙「(そういえば……咳の原因、心とか言ってたな……)」
最近はもう健康児。
吐血していた人間とは思えないくらいピンピンしているじゃないか。
あぁでも心当たりはあったりするんだよな。
思い返せよ。
最近は一人で仕事をする事が多くなった。全員分の洗い物で1人じゃ大変な時も誰かを呼ぼうという気はなんて……。
沙「あぁ……くそ。」
今更気付くなんて遅い。遅すぎる。
耐えられなかったんだ。傷つく事が怖かったんだ。
私だけの思い出であって皆の中には欠片も残っていない記憶。
あんなに一緒に笑いあって馬鹿をしたのに今まで過ごしてきた事が何もかも無くなっている。
それなのに前と変わらない笑顔で話しかけるから、私と過ごしてきた日々は無駄な時間だったんじゃないかって思ってしまう。
馬鹿だよ、本当に。
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