二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 最終話更新中!! ( No.491 )
日時: 2013/04/02 21:17
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

最終話 [BAD]


コンコンッ

小刻みであって少し控え目なノックの音がする。

沙「はい……。」

おいおい、誰だよこんな夜中に人を訪ねる悪い子は。
なまはげにでも食われろ、私は今人を招ける精神状態じゃないんだよ。

未「夜遅くにごめんなさい。」

わぁお、正夢になるとか御免だぞ。
よ見れば刃物を持っていないので安心だけど←

未「少し、お話があります。」

沙「長そうだね、入る?」










未「沢山の迷惑を掛けたと思ってる。」

部屋には入らず扉の近くで呟かれた声。それには昔の面影があった。

未「私考えたんだよ?今までの事を清算出来る方法……。それで、それでやっと思いついたの。姉さんも私も幸せになれる……そんな素敵な方法を。」

沙「…………。」









未「ずっとここにいればいい。」

ガシャンッ

棚に置いてあった花瓶が割れた。
するとどうだろうか、散らばった破片は10秒も経たない内に集まりあっという間に元の形にもどったではないか。

沙「これは……」

未「知らなかったでしょう?姉さんは滅多に失敗しないからね。」

触ってみれば形も、重さ、そして水あかまで元のものと変わらない。

未「アドリブなしの劇場、ていうところかな。台本にない事は全て修正されて何もなかったようになる。これが証拠だよ、これだけ大きな音をたてても誰も様子を見に来ない。確か隣は……豪炎寺君だっけ?彼なら些細な音も妙な事だと思ったら駆けつけるでしょ?」

そうだ、もしこの音が聞こえれば豪炎寺程の奴なら見に来る。
それにガラスが割れる音はこの夜の静寂に響いた。

秋、春奈ちゃんは駆けつけてもおかしくない。

未「私達がここにいれるのはあの神が台本を書き加えているから。どうやら姉さんは神のお気に入りみたいだから不利な事は加えられない、もし失敗してもすぐに修正される誰にも気づかれない。」

そんなの……そんなのを望んでいたわけじゃない。

沙「意味ないさ。皆が私を覚えていないのだから。」

別にそれだけの理由ではないはずなのに頭に浮かんだのはこれだけだった。どんだけだよ……。

未「本当に?本当に皆に記憶があってほしいと思ってる?」
















『だったらいいよ、見せてあげる。』